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第296話
「だが、やはり矛盾が生じる。確固たる答えが出ない。お前たちの過去は消えない。繋がりを無かったことにはできない。だが、それほど疑わしいというのに〝知らない〟を覆すだけのものが無かった」
ヒバリは件の店を見つけるのも早かった。そしてわかっていたかのようにその店を重点的に調べていた。最初から知っていたから、その店を早く見つける事ができたのだろうか。しかしヒバリが何か企んでいるのならば、その店から凪を遠ざけるのではないだろうか。もしくはあの店を捨て駒にして、本命を隠しているのだろうか。
様々な予測を立てたが、どれも確証には至らない。あの店を囮にしているのだとしても本命となるだろうモノは未だに欠片さえも発見されておらず、ヒバリが完全に善意で動いたというには不可解な行動が多い。この件に関しては常に凪と共に行動しているように見せかけて、自らや隠していたのだろう配下の者を動かして何かをしていることも気に掛かった。
「ですが今の殿下はその答えを持っていらっしゃる。違いますか?」
だからこそ凪を牢でも離れでもなく、サーミフの私的にあたる部屋に置いたのではないのか。その問いかけに確かな年月を感じて、サーミフは小さく苦笑した。
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