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第298話
曖昧であるとわかった上で、サーミフは凪やツバキを疑ってかかった。そう、初めて顔を合わせたその瞬間から。そして長い年月を、彼らが〝何も企んでいないという証拠がない〟と言って監視し、そして本当に疑わしいことが起これば〝やはりそうか〟と即座に納得した。矛盾があって、罪を突きつけるには確たる証拠がないと口に出して糾弾することこそしなかったが、サーミフの中でその罪は確定していたも同然だった。最初に会った時からずっと、一度とて凪やツバキに自然の目を向けたことなどない。そんな自分が、どんなことであれ証明できないのは仕方がないなどと言って自分を正当化するなど許されない。
確かにサーミフは現実主義者で頭が固いかもしれないが、恥知らずになるつもりはないのだ。
「幸いなことにディーディアの技術は他国に引けをとらない。そう時間をかけることなく真実か否かの答えは出るだろう」
そしてきっと、その時ようやく凪は本当の意味で自由になる。
「その時が来たら……」
ぽつり、と凪が呟く。そして何を思ったのか、おもむろに凪は起き上がった。
「ッッ! 何をしているッ!」
急なことにサーミフは声を荒げながら立ち上がる。きっと想像を絶する痛みが全身を駆け巡っているのだろう、凪は苦痛に顔を歪めながら転がり落ちるようにベッドを出た。そして震える身体で絨毯の上に膝をつき這いつくばるようにして頭を下げる。ベッドに戻そうと伸ばされたサーミフの手が止まった。
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