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第301話

「サーミフがここに来るとは珍しいな」  愛しい夫人や可愛い娘との時間を存分に楽しんでいたのだろう、父たる国王は柔らかな笑みを浮かべながらサーミフを見ていた。隣に座るツバキも微笑んでいるが、その視線はチラチラとサーミフの後ろに向けられている。彼女の側にいるナイーマなどは隠す素振りも見せず、不満ですと顔に出していた。 「お兄様はいないの?」  探しても見つからない姿にナイーマは不貞腐れる。残党がいないかを探している最中ということもあり、凪が撃たれてサーミフの部屋で臥っていることは侍従長とサーミフが殊更信用している医師、そして口が硬く決して裏切ることがないと信をおいている数人の使用人だけが知っていた。おそらくはナイーマだけではなくツバキも息子の顔が見られると思っていたのだろう。ほんの少し寂しそうで、それ以外を見つけることはできない。 「今日は連れてきていない。それよりも、父上と夫人にお話すべきことが。人払いをお願いします」

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