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第302話
事が事であるために子供であるナイーマにも、数多の使用人にも聞かれるのは避けたい。息子の言葉に笑みを消した国王が視線だけで使用人を下がらせる。サーミフもまた、侍従長に視線を向けた。使用人達を見張れ、と。
侍従長や使用人たちが静かに礼をして下がる。普段は開け放たれている扉がパタンと閉められた。
「して、何用か」
何があった、と問いかける国王に、ツバキもまた不安そうに瞳を揺らめかせている。サーミフは願うように二人を見た。
「我が国で贋金が発見されたことは既にご存知だと思いますが、それの使用先が判明し、犯人も捕らえました。組織殲滅のためにまだ調査は続行しておりますが、事が事なので報告を」
淡々と、サーミフは静かに言葉を紡ぐ。贋金で宝飾品が買われていたこと。同じように安価な武器が購入されていたこと。その武器弾薬が戦をしている国に売られていたこと。
ただ金を増やしたくて贋金を印刷したのと同じ感覚で、しかしそれとは比べ物にならないほどの事態に国王の顔が強張る。同時にひとつの疑問が浮かんだ。
「報告内容に関しては理解した。王子や宰相らも集めて早急に会議を開き対処すべきだろう。だがサーミフ、ひとつだけわからぬ。なぜ、それを第三夫人のいる前で話した?」
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