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第313話
「危険があることは元より覚悟の上だよ。この土地勘のない場所で、絶対にヒバリが傷一つ負わないと断言することはできない。なにせヒバリは私でも完全にその行動を抑えることはできないからね。ポリーヌやロールを側につけたとて、多少の抑止力になる程度だ。それでも私は私情を選んだ。ヒバリに後悔させたくないという私情をね。決して死なない身体をしているがゆえに他の道を模索しなかったのは怠慢だと言われれば、その誹りを免れることはできないが」
ある程度の予測はしていた。だからそれがゆえに責めることもない。
「……私に閣下を非難する権利も資格もありません。が、あの噂は、やはり本当だったのですね」
小さく呟いて、サーミフはカップを手に取る。その様子に閣下は小さく微笑んでいた。
ウォルメン閣下とその周辺は不老不死である。そうまことしやかに囁かれる噂があった。本来であればそのような噂など御伽話にもほどがあると多くの者が嗤って終わりだろう。しかしその噂が消えないのは、彼と関わることのある者たちの目に、彼らの姿が一切変わらなかったからだ。
今、目の前にいるウォルメン閣下は二十代半ばほどの見た目をしている。肌は艶めき、シワのひとつも見当たらない。その美しい髪には白髪が混じることもなく、まさしく今が盛りの青年と言った風だ。そしてその姿は、サーミフが彼に初めて会った日からまったく変わっていない。彼も、彼の側に仕えるヒバリやバイロンたちでさえ。
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