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第350話

「ずっと気を張り詰めていて疲れたのだろう。問題が無いようであれば、このまま休ませてやれ。ここは入れる者が限られているから、そう煩わされることもないだろう」  妃候補として送られた女性たちはサーミフの私的空間に入ることは許されていないし、使用人にも制限をかけている。サーミフの権限が及ぶ範囲でもっとも静かな場所だと言えるだろう。その言葉に医師もひとつ頷いた。 「それが良いでしょう。人間は軽視しがちですが、ストレスを侮ってはいけません」  仕方がないとはいえ、この宮殿には凪の事情を知る者ばかりだ。そして彼らが何を言わずとも、その視線や表情は雄弁で。仮に本当に何も思っていなかったとしても、言われているのではないか、と考えてしまうのが人間というものだ。どちらにしたって止められるものではないし、コントロールもできない。ならば今は避けるべきだろう。 「私はこれから動かねばならない。ナギのことは任せた」  愛想はないが、その腕は確かな医師に凪を託し、サーミフは足早に部屋を出る。その後ろ姿に医師はやはり無表情のまま頭を垂れた。 色々あって、昨日は予告なしにお休みしてしまい申し訳ございませんでした 十時(如月皐)

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