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第391話

「なんでそこまでして会いたいのかは、わかりませんが」  何の含みもなく、本気で凪はわからなかった。  ナイーマとは、血が繋がっているだけだ。それも半分だけ。王女と使用人という立場ゆえに親しげに接したこともなければ、積極的に面倒を見たわけでもない。何よりこの宮殿は広いのだ。一切顔を合わせなかった日だってある。否、そんな日の方が多いだろう。  ただただ同母の兄妹に夢を見ている可能性は大いにあるが、それに応えるような素振りは僅かだって見せたこともない。なのになぜ、と思わなくはなかった。 「あなたの性格上難しいのは理解してますけど、医者としてはできるだけ悩むなと言いたいところですね。ただでさえ治りが遅いのですから」  言って医師は顔を顰める。  撃たれた足の傷ももちろんだが、どうにも日に日に凪の身体が弱っていっているように思えてならない。  サーミフが動いたおかげで少しは食べるようになったというのに、徐々にではあるものの体力が奪われていっているようだ。眠っている時間も多くなった。それが身体を回復させるためのものであれば問題はないが、医師の経験がそうではないと告げている。  本来であれば、もっと治っているはずだ。傷も、身体も。だが、凪よりも多量にあの毒を含んでいるはずの夫人の方がよほど元気に見える。その理由が、一つしか思い浮かばない。できれば外れていて欲しいと願う医師を他所に、凪は小さく息をついた。

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