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第393話

「今日はまだ何も食べていないでしょう? リゾットといっても、胃に負担がかからないよう汁気多めですから、食べてください」  汁気多めという言い方に凪はキョトンと目を瞬かせる。用意されたそれを見れば、確かに米が見えないくらいスープが入っているが、これを汁気多めと称するとは。いや、汁気が多いのは間違いではないのだが。 「……意外と大雑把?」  思わず呟いてしまった声に医師がチラと視線を向ける。 「そんなわけないでしょう。どこからどう見ても美味しそうに盛られたリゾットですよ」  汁ひとつ溢してはいない、という医師に凪は首を横に振った。 「あぁ、いえ、リゾットのことではなく……。何でもないです」  ジッと見つめられて凪は口を噤む。このディーディアに来てからの付き合いではあるが、彼は独りを好む性格であり、王太子の依頼も受けていることから、こうして長く会話をしたことは今回が初めてだった。それゆえに彼という人間がどうにも掴めず、凪はその視線から逃げるようにしてリゾットをほんの少し掬うと口に含んだ。 「……先生。その、いつ頃動いてよくなるかとか、聞いても……?」  自分が何を言っているのか自覚はあるのだろう。凪はリゾットに視線を落としたまま、ポツリと問いかける。か細くて、不安そうであるのに、聞かないという選択を取れなかったそれ。その様子に医師は小さくため息をついた。

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