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第401話
「ナギ?」
急に黙り込んでしまった凪にサーミフは視線を向ける。何かを言わなければと思い、凪は探すように視線を彷徨わせた。そしてたまたま窓の外を見て、無言のままに目を見開く。
「…………」
どうしてか、唇が震えた。吐息さえ音にならない。
「ナギ?」
どうしたのかとサーミフは同じように凪が視線を向ける先を見た。そしてハッとする。
窓の外には、少女の後ろ姿があった。先程まで扉の前で駄々をこねていた彼女の、柔らかで小さい手はどちらもしっかりと繋がれている。
片方は優しい笑みを浮かべた母に。もう片方は穏やかな表情の父に。
おそらく、ナイーマの姿が見えないといって夫人自らが探しに来たのだろう。乳母に任せきりにしたくないと言い切った夫人は、当然ながらナイーマの性格も行動範囲も熟知している。きっと見つけるのは容易かったに違いない。そんな妻を心配して、父王も一緒に迎えに来たのだろう。想像に難くない。サーミフでなくともわかるもの。――凪でさえも。
「……ッ……」
いつもであれば完璧に隠せていたものが隠しきれていない。震える唇を、凪は自覚しているのだろうか。
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