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第405話
あなたは良いのか、と書類を渡してきた兄に問いかければ、彼は小さく笑って頷いた。
〝私だと、離宮を無人のまま放置して駄目にしてしまうから、サーミフが持っていてくれた方が母も離宮も喜ぶだろう。それに私は長男だからね。母上の形見はたくさんいただいている。ゆえに、離宮を渡してやっとお前と同等だ〟
だから遠慮はしなくて良いと言った兄に、サーミフはそれ以上を言うことなく素直に受け取ることにした。それに、この離宮は夫人であった母が使用していたのだ。新たに手を加えずとも十分なほど警備が完璧に行える設計となっているため、サーミフとしても安心して住まうことができる。
「様々なことが起こり、流石に私も疲れた。まだやるべきことは残っているが、一日の内ほんの数時間ゆっくりと過ごすことくらいは許されるだろう。ここならば父上も大臣たちも押しかけてはこない」
そして、ナイーマも。
言葉にしなかったそれを胸の内で呟き、サーミフはそれなりに広いが、広すぎるわけではない部屋のベッドに凪を降ろした。
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