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第417話

「最初は変な方向に動かしたりしていましたが、随分と操作には慣れたと思います。ちゃんと行きたい方向に向けることもできますし。座っていて痛いところもありません」  簡易的に、とサーミフは言っていたが、それなりに上等な車椅子なのだろう。動き回っていた凪はそれなりの時間を車椅子に座って過ごしたが、今のところ痛みはどこにも無い。今も回廊に響くのは医師の足音だけというくらい、動きも滑らかで静かだ。凪にとってはありがたいことこの上なかった。 「それは良かった、と素直に言いたいところですがね。その行動力には驚きです」  カチャリと扉を開けて、凪に与えられている部屋に戻る。テーブルの近くで車椅子を停め、医師は正面に移るともう一度凪の顔を覗き込んだ。 「でも本当に顔色は良いですね。少し前までのあなたは死人のような顔をしていましたが、今はちゃんと生きています。もしかして、動き回りたいタイプでした?」

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