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第419話

「……以前は、仕事が多いなと思っていたんです。殿下の側でお世話する仕事が増えて、他の仕事は減らされましたけど、何かしらの事情で殿下のお世話をする者がいなくなると、その仕事は必ず私に割り振られるから、何でだろうって」  不満を、抱いたこともあった。 「まぁ、それが普通じゃないですか? 私なんて隙あらば引きこもりたい性格なので、全部を私に割り振られたら逃げますよ」  他の仕事が減らされて、量的には同じであったとしても疑問も不満も出るだろう。それはおかしなことでは無いと告げた医師に、凪はヘニョリと眉を下げた。 「ご面倒をおかけしていますね」  引きこもりたい性格なら、この離宮への移動は医師にとって負担となっているだろう。他の使用人はともかく、彼に関しては凪のためだけに移動してきているのだ。申し訳ないと謝れば、医師は何でも無いことのように首を横に振った。 「心配せずとも大丈夫ですよ。私は引きこもりたい派ですが、絶対に同じ部屋でないと駄目だというわけではありません。こちらに来てからはあなたの治療しかしていませんからね、むしろ以前よりも自分の時間はあります。この離宮で与えられた自室で存分に引きこもってますから、気にしないでください。それより、続きをどうぞ」  ジッと顔を見ているよりも話しやすかろうと、医師は凪に続きを促すと、その場に膝をついてそっと銃で貫かれた足に手を伸ばした。傷を診るために包帯を外していく姿を見て、凪はありがとうと、ほんの少し瞼を伏せる。

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