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第424話

(王子としての防衛本能が働いただけではないのか?)  サーミフに告げた言葉は決して嘘ではない。凪はサーミフの疑いを仕方のないことと、当たり前のことだと思っていた。誰がどう見たって凪の立場は怪しい。凪がサーミフの立場だったら、当然のことのように疑い続けるだろう。だから、ツバキが死ぬまで、否、死んだ後でも疑われ続けるだろうという覚悟はあった。しかし、医師の言い方ではサーミフが凪を疑い続けた理由は他にあるようだ。むしろ、凪が思っている理由だけなら、サーミフは何年も何年も疑い続けたりはしないと言っているようにも聞こえた。  何もかもが終わり、全てが明らかとなった。そう思っていたのに、凪の知らない何かがあるらしい。侍従長に聞けば良いと医師が言ったということは、そう隠されているようなものではないのかもしれないが、聞いてよいものだろうかと迷いが生まれる。  全てが終わり、動けなくなったことで気づいたことがある。車椅子とはいえ動けるようになって得たものも。だがやはり、自分は未だ迷子のままかと気付かされた気分だった。  ゆっくりと、荒波のように落ち着かない思考を宥めるように瞼を閉じる。その時、小さなノック音が聞こえた。

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