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第425話
「ナギ殿、いらっしゃいますか?」
扉の向こうから聞こえた声に凪は瞼を開く。聞き慣れた声にどうぞ、と応えば、静かに扉が開かれた。
「すみません、ナギ殿。少しお力を借りたいことが……」
身体を休めている時に申し訳ないと、これ以上ないほど眉を下げた壮年の男が入ってくる。以前はサーミフの目となり、耳となるために隠密活動をする影であったが、最近はその役目を後進に託したのか堂々と姿を見せてサーミフの側で働く彼は、ひと抱えほどある箱を手に近づいてきた。
「宮殿から運び込んだ荷物はあらかた片付けたのですが、これらは見たことがないものばかりでして、どこに仕舞えば良いかと。他の使用人たちが、見覚えがないということは殿下が大切になさっている物の可能性が高いから、下手に自分で決めるより侍従長かナギ殿に聞いた方が良いだろうと」
どうしましょうか、と差し出された箱を凪は覗き見る。幾つか見覚えのあるものが目に入り、あぁ、と凪は頷いた。
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