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第426話
「確かに殿下が大切になさっているものですね。さほど量はないですし、私が片付けておきます」
怪我をしているとはいえ、凪はサーミフの側に控えていることが多い。最も近くにいるのは侍従長だろうが、次点は凪だろう。ならば凪が管理して、聞かれたらすぐに答えられるようにするのが最善だ。そう思って凪は箱を受け取ろうと手を伸ばした。ひと抱の大きさであるが、中にはさほど物は入っていないので膝の上に乗せて移動することはできるだろう。見たところ、割れ物もないので万が一があっても平気だ。しかし男は眉を下げたまま渡そうかどうしようかと悩んでいる。
「どうしました?」
何か問題でもあっただろうかと凪が首を傾げる。その様子に男は苦笑した。
「いえ、少し重いですから、場所さえ指定していただいたら俺が持って行きますよ。箱を移動させるくらいはできますから。車椅子のナギ殿にこれを運ばせるのは申し訳なくて」
車椅子を動かすにはどうしたって両手が塞がる。割れ物が無いとはいえ、もしも落として何かを欠けさせ、それでナギが叱責されるようなことになっては可哀想だと思ったのだろう。気遣ってくれているとあっては凪も断り続けるのは申し訳なく思ってくる。
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