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第439話

 ドクリと凪の心臓が大きく脈打った。呆然と目を見開く。  殺された? それも、異母妹に? 「陛下は殿下の母君――王妃様が大層お好きだった。私に並び立つのは彼女しかいないと公言していたほどに。それゆえに、最初にお子を授かったのも王妃様だった。お子を産めば寵愛がなくなるということも歴代の王の御代にはあったようだが、陛下はそのようなことはなく、ずっと王妃様を愛しておられた。とはいえ、陛下はディーディアの王族として生まれ、王族として育ったお方。王妃様がサーミフ殿下の出産の折にご不調になり、医師からこれ以上の妊娠は避けるように言われると、他の者に手を出されることもあった。王妃様のお立場を思ってか貴族令嬢などには手を出したりなさらなかったが、身分の低い者や政に利用されないような者を侍らせておられた。その内の一人が、王妃様の侍女をしていた女だ。彼女は幸か不幸か、一度の交わりでお子を成し、女児を出産した」  国王の子供を産んだのだ。当然女は夫人となり、仕える立場から従える立場になった。それが女の計算だったのか、幸運を手にして考えが変わったのか、それは誰にもわからない。だが事実として、女は胸の内に野心を抱きだした。

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