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第451話

「あの場にいらっしゃることが多いので感覚が曖昧になってきてしまうのですけどね、お妃候補であることは間違いないですが、〝誰の〟お妃候補かは決まっていないんですよ」  国王の息子はなにも王太子とサーミフだけではない。それに王女の産んだ息子も含めればそれなりの数にはなるだろう。公務を行う者は王族として宮殿か、宮殿に程近い場所に住んでいる。そんな〝王族の男子〟のお妃候補なのだと彼女は言った。 「歳の近い男性王族もそれなりにいらっしゃいますからね、この方がダメならこの方に、なんてやっていたらご令嬢方も婚期を逃してしまいますし、公務の合間をぬってお見合いを一人ずつなんてやってられませんから。ああして妙齢の女性が宮殿に集まって男性王族と交流を持つんです。だから、本来ならサーミフ殿下の後宮だけでなく、王太子殿下の後宮や、第三王子、第四王子の後宮、他の男性王族の後宮に行ったって良いんです。そういう制度ですから。でも、王太子殿下は後宮を閉め切っておられますし、おそらくご令嬢方もご実家から王太子殿下かサーミフ殿下の妻にと言われているのでしょう。おかげでご令嬢方は動くことなくサーミフ殿下の後宮にいらっしゃるので、なんとなくサーミフ殿下のお妃候補のような感じになっていますけれどね」  凪を含め、若い使用人たちは初めてのことなので勘違いしてしまうことが多いのだが、彼女のように現国王の時を知る者からすれば見慣れた光景だ。王弟の夫人になっている者達も、かつては国王の――当時は王太子の後宮に詰めかけてその寵愛を得ようと躍起になっていた。しかし、彼女達とて馬鹿ではない。勝算が無いとわかればすぐにでも別の行動を起こすだろう。いつの世も繰り返されたそれは彼女にとって想像するに難くない。

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