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第461話
「――笑顔をみせたのは、王子様よりほんの少し小さな少年でした。また大人たちが連れてきた〝お友達〟か、と王子様はおもいましたが、それを言うことなくニコリと笑いました。いつも通りに遊んで、時間が来たらお別れ」
傷は消えたりしない。見ないようにしているだけだ。この王子様も、サーミフも。
「――いつも通り。いつも通りのはずでした。けれど不思議なことに、少年は王子様から離れようとしませんでした。毎日、毎日、少年は王子様のところに来て笑います。太陽のように笑います。あなたといるのが楽しいと」
少年の言葉を、王子様はどう思ったのだろう。サーミフは、何を思うのだろう。
「いつも通り、いつもと同じはずなのに、少年は王子様に笑います。太陽のようだと、王子様が思う笑顔を。王子様には少年のことがよくわかりませんでした。けれど少年はいつだって王子様の側にいたのです」
単調な日々にできた、ほんの小さな変化。
「――ある時、少年は王子様の前に姿を見せませんでした。次の日も、次の日も、少年は王子様のところにやってくることはありませんでした。きっと大人たちに〝もうあの王子様と一緒にいなくて良いよ〟とでも言われたのだろう。だから来る必要がなくなったんだ。王子様はそう思いました。少年がいなくなってポッカリと空いた穴を、王子様は気づいていなかったのです。少年がいても、いなくても、繰り返す日々は何も変わらない。王子様だけが、そう思っていました」
これを特別だと決めた日から特別となる、ということもあるが、大抵の場合は気がついたらいつの間にか特別になっているのだ。王子様も気づいていないだけで、きっといつの間にか少年を特別と思い始めていたのだろう。決して側を離れなかったはずの、彼を。
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