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第465話

「この続きは、読んだ者が考えて完成させる。このまま少年と王子が再び巡り会えない未来を描くか、それとも奇跡的に少年が戻ってきて王子に花を渡すのか、あるいは王子が危険と知りながら少年を探しに行くのか。この絵本の終末は読者の数だけある、ということだな」  この王子様は読んだ自分なのだ。動くも、動かぬも、ハッピーエンドにするも、バッドエンドにするも自由。  ――それこそが、王妃様が愛息子に残したかったもの。 「では殿下は、この結末を探しておられるのですね」  サーミフは決してこの〝おうじさま〟ではない。どんな結末を用意したとしても、それこそ適当に決めたとて、それが現実になることはないだろう。だがきっと、王妃様が絵本に託した願いは、そんな冷めたものではないはずだ。そうでないからこそ、サーミフもまた探し続けている。今になってなお。 「お前なら、どうする?」  サーミフの問いかけに、凪は顎に指を添えながら小さく首を傾げた。 「そう、ですね……。すぐには思いつかないのですが、でも……、うん。私はハッピーエンドが好きなので、少なくとも王子様が少年と再び会えるようにはしたいかな、と」  人生は世知辛いことばかりだ。何もしていなくたって理不尽なことが向こうからやってくる。だから物語の世界でくらいハッピーエンドであって欲しいと凪は思うのだが、そんな凪をサーミフは不思議そうに見つめた。

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