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第473話
サーミフは自身を落ち着かせるようにゆっくりと深く息を吸い、そして吐いた。自分に厚い情など無いことを、凪自身が一番よくわかっているだろうに。
なのにサーミフの心情を知ることのない凪は、穏やかな笑みを浮かべていた。
「そうですか? お聞きする限り一番似ておられるところだと思うのですが」
当たり前のことの様に凪は言う。そこにお世辞の色は含まれない。まるで太陽が昇れば朝となり、沈めば夜となるというように、当たり前のことだと。
「殿下の情が厚くなければ、私は今ここにはいません。もしいたとしても、こんな姿じゃなかったでしょう。こんな性格の人間にもなってはいません。口では他の使用人と区別するつもりはないとか、助けを期待しないようにと仰っておられましたけど、その割には、たくさん助けていただきました。私は殿下に助けていただけなかったことなどありません」
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