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第508話
「好きな方を選ぶが良い。もっとも、そなたがいくら守ろうと、この様子では後ろにいる者が必ずしもそなたを守ってくれるとは、私なら思わないがな」
ここは一国の宮殿。後宮もまた、一級品に慣れた貴族令嬢が数多集まる場所だ。ローラが持つ物がすべて本物ではないと気づく者もいただろう。もしも騒ぎ立てる者に見つかっていれば、これらすべてがローラの首を絞めにかかってくる。それが計算できないほど愚か者だったのか、本当に金銭に余裕がなくてしたのかは不明だが、どちらにせよローラに一言の説明もなく贋金やイミテーションを持たせている時点で信用などできるはずもない。現に目の前で取り押さえられているローラの瞳は赤く燃え盛っており、迷っている様子さえ見受けられなかった。
「私の知るすべてをお話しいたします。サーミフ殿下」
それが謀った者への復讐となる。そう言わんばかりの瞳を、サーミフは静かに見下ろした。
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