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第512話
「でもここにいる皆は、殿下とナギさんがくっついたら良いって心底思ってるじゃないですか。それに気づいてないの、殿下とナギさんだけですよ。……ちょっと殿下が気付いてないってのは怪しくなりましたけど」
「離宮の随行メンバーがメンバーだからなぁ」
弟子の言葉に料理長もほんの少し遠い目をする。サーミフが王族であり、国王が何も言わないとはいえ望んではいないことを知っているため大っぴらに応援することはできないが、それでもサーミフにとって凪が特別であるのなら、その想いが叶えば良いと密かに――それこそ贋金の件でヒバリたちが来るよりもうんと前から応援している者たちがこの離宮に集められている。誰一人として例外が無いことから、サーミフは知っていて選んだのではないだろうかとほんの少し疑ってはいるが、しかしつい最近まで自身の凪に対する過保護を自覚していなかったサーミフだ。本当に偶然という可能性の方が高い。
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