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第8話 S字結腸+1
※愛撫/イチャイチャ/指入れ/お風呂/前立腺とんとん♡
「はーー…気持ちいい…」
セーブル・マーマーの一角にあるラブホ風バスルームは、音楽に合わせて七色に光るバブルバスがビカビカと輝き、泡がちゃぷちゃぷと水面で弾けていた。
泡がはじける度、ほわんといい香りが満ちる。
事後の熱を洗い流すように甘い香りが漂う中、怜司と悠は大きな湯船に浸かってリラックスしていた。
対面で座る二人を照らして、色替えするライトがグラデーションに移ろい、グラスで氷がカランと崩れる。
悠が片足を怜司の肩にそっと乗せ、グラスを煽りながらまったりと視線を投げた。
「ああ?」
怜司がその重さに、目を細めて悠を見る。
「長い脚が俺の肩に乗ってますよ、お兄さん」
「だってアンタ、舐めたそうな顔してんじゃん」
悠が楽しそうに笑い、肩の上で足の指を微かに動かして挑発する。
怜司がフッと笑い、「でたでた」とでも言いたげに悠の足首を掴んだ。
金属がちらつく舌先が、まずは足の甲に触れ、湯と泡で湿った肌をゆっくり舐め上げる。
つま先の甲側、その指の谷にキスを細かくすると、「あ…」と小さく吐息を漏らして悠の肢体が跳ねる。それは悠自身気づいてない性感帯だった。
ちゃぷっとバスタブの縁が波打って、泡が怜司の顎に絡みついた。
舌が指の間を丁寧に巡り、足首を滑り、くるぶしを軽く吸うと、悠の喉が小さく鳴る。
「ん…。そのピアス、いいよね…」
うっとりとした気持ちよさそうな声が漏れる。
「これ女ウケ最高。…お前もこれで舐められんの好きだよな。チンコビクビクさせてさ。とろっとろになんの」
「そのピアスが良いんだよな、そのピアスが」
「開けりゃあいいじゃんお前も。それか裂くか?この穴に紐通して切るとマスターみたいになるぜ。俺はやんないけど」
怜司が笑い、舌をふくらはぎへと這わせた。
「マスターとキスしたことないな。あれどんな風に動くんだろ…」
悠は肌を這う柔らかい感触を楽しみながら、湯気に溶けそうな声色で囁く。
「バラバラにうごかせるらしいぜ。――あ、そういやこの間マスターに…」
怜司が何かを思い出したかのように距離を詰めて、持ち上げた太ももにべろりと舌を這わせてくる。
薄っすら色づいた悠の肌がピクッと震え、ちゃぷ、と湯を揺らした。
「マスターのグッズですげぇでかいのあってさ。バイブ。超長ェやつ」
怜司が会話を続け、軽く吸って跡をつけながら、舌を太ももの内側に滑らせていく。ちゅ、ちゅ、と柔らかく立てられる音が耳を擽る。
「ん…。どういうこと?巨人女用…?」
「男向けだって。お前さ、S字結腸って知ってる?」
言いながら顔を寄せる。
唇が掠めそうなほど、近い。
手がすすすと悠の後ろ側に伸び、指先がそっと触れる。
「おい、ここでヤる気かよ」と心の中では思いつつ、この先をもう少し楽しみたい。そんな気持ちが悠の理性を徐々に溶かしていく。
「S字?何…?」
怜司の指が湯の中で蕾を押し込み、つぷりと、まだ柔らかい内側を撫でると、先ほどまでの情事の熱を思い出して、悠の唇から切ない吐息が零れる。
「怜司…。今中途半端なことされたら、俺許せないんだけど…?」
「まあまあ。で、前立腺ってやつもあるらしくて…ちょうど、ここら辺…」
「――…あっ」
「な?好きじゃん?お前ココ。前立腺って言うんだってさ。女のGスポットと同じあたりにあるからなんかイイとこだとは思ってたんだけどよ…。いつもここガンガン擦るとアンアン言ってるし」
「アンアンはいってねぇよ。でも…そこイイ…」
「男のGスポットだってよ。そういうの詳しくねぇの?男とヤるだろ?」
「はあ?なんで俺が男相手にヤる…、ああ、何、女体で?」
「いや男体で。――…一回もねーの?」
怜司は悠の反応を見ながら質問を続け、2本に増やした指で前立腺をトントンと刺激するのを止めない。
悠の肌が淡く色づくのは湯の影響か、それとも。
「アンタと初めてヤった時、後ろ使うの初めてだって言っただろ。手っ取り早く男の精を喰うなら女体でヤったほうが効率いいし。わざわざゲイ探すよりさ。アッ…、あー…。それ続けて…あ…あ…、…んっ」
言いながら、気持ちよさそうに喘ぎが上ずっていく。湯の中でゆらりと腰を揺らした。
「……じゃあ…なんで俺とは男体だったんだろうな」
怜司の呟きがバスルームの反響に溶け、悠の返事を待つように指の動きが止まった。
「何?」
悠は突然お預けを喰らった刺激に、腰を揺らして動かない指の催促をする。
「最初からお前が女の身体だったら…」
「…だったら…?」
変なモヤモヤを抱えずに済んだのだろうか?
それともお互いを、人間の女の子や男の代用にするだけの関係になってたのだろうか?
怜司がスルッと指を引き抜いた。
「いいとこだったのに」と悠が不満げに言うと、怜司がその唇に軽く当てる程度のキスをして悪戯に微笑む。
「楽しいことしようぜ」
ふいに怜司がざばっと立ち上がり、悠の目の前に反り返った自身を見せつけてきた。
「……へ…?」
♡つづく♡
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