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第9話 S字結腸+2
※S字結腸探し/お湯出しザーメン/お風呂プレイ/らぶえっち/濁点喘ぎ・♡は適宜
「お前さ、これ何センチだと思う?」
目線の位置にいきり立つソレを差し出され、悠が笑う。
「10センチくらい?」
「おら節穴!節穴に突っ込まれてーのか?犯すぞ。ちゃんと見ろ、媚びろ」
「わかったから、目の前で振るな!ったく何自慢だよ、同じくらいじゃないの。17…8…?正確には解らないって。てか指入れただけで勃ってんなよ」
怜司はいたって真面目な目で悠を見つめた。
「まあ聞け。男には奥にまだ性感帯があるんだってさ。前立腺越えの、強、烈、な、快楽がさ」
「前立…腺、越え…?きょうれつ…?」
悠が興味と葛藤が入り混じった顔で呟くと、怜司がぺちんッと肉棒を悠の顔に落とした。
肉棒越しに見つめ合う瞳、どちらともなく、ごくりと喉が鳴る。
「体位によっては届くかもしれない…どうだよ?前立腺越えだぜ…?思い出せよガンガン突かれてる時…あれ以上だぜ…?」
怜司が淫魔らしく、右耳に、左耳に、誘うような声色で煽る。
「でも開発が必要だって言ってたな。晴星が」
「晴、マスターに開発されてんだ…」
(そんで男の性感帯の情報源そこなんだ…)
…晴星(はるせ)は怜司の昔なじみの淫魔だが、セックスに関してはサキュバス寄りなのに、マスターにインキュバスとして夜な夜な抱かれている、らしい。
いわゆる、お気に入りってやつだ。
なかなかの美青年だがドMでどうしようもない。
「――でぇ…」
怜司が湯の中で悠の膝を抱え、身体を密着させた。
「そこ情報だと、S字結腸ってのが前立腺より奥にあるらしいぜ。20cm以上奥で、内臓動く感じがヤバいんだと」
怜司が好奇心で昂った性器をあてがって、ゆっくりと悠の中に沈め――…
ようとしたが、
―――ばちゅん!♡
勢いよくつるりと根元まで入ってしまった。
「は、…ああああああああっ♡!!」
「あっ悪い、悠」
「んくっ、怜…っん゛ん!」
ローションよりも粘度の低いお湯という存在が、摩擦も何もなく挿入を促してしまい、予想外の刺激に悠の身体が仰け反る。
全身に力が入り、ただ奥で絡みつく熱に縋るしかない。
「悠、締めんなって…っ」
「あ、あ、あ…っく…っ、そうは、いっても…っアッアッ…っ」
(あれ?悠ちょっとイっちゃってる…?)
暫く動かさずに悠の様子を見る。
瞳を揺らしながら、ひくり、ひくりと唇が震えていた。
その有様に愉悦を感じ、薄く口の端をあげてしまった怜司に目ざとく気付いた悠がじろりと睨む。
「何…っ、笑ってんだよ…っ」
「別に?」
合わさった胸から伝わる鼓動が整ってきたところで、ゆっくりと、慎重に、奥を押し上げていく。
「じゃ…いくぜ…?奥、押していくからな。S字はかなり奥って話だから、もっと、こう…。届かなくても、揺らすくらいはできるか…?」
怜司が言い、膝を抱えたまま角度を変えていく。
悠が湯の中で腰を揺らし、押し込まれた自分の体内の感覚に意識を巡らせる。ぴたりと怜司の肉棒を密着させて、腹を手のひらで撫でながらその存在を追う。
「…ぁ、どの辺に…ある感じ…?」
「曲がった先?だっけ。膝抱え正常位なら届くかもな。角度つけてこうやって…」
怜司が悠の膝を胸に近づけさせ、更に深く挿入した。
「んぁ…っ、もっと…奥なわけ?…んー…っちょ…と怜司、あんま、グリグリ、すると…アッ」
「中探んないと解らないだろ?どっちに、何が、あるんだか…」
「あふ…、ううっ、や、…ッ…」
二人が動く度、湯がちゃぷちゃぷと波立った。
「あー…。動きてぇ…まだ届かねー?」
腰を調整し、さらに深く押し進める。
「そこ…押されると…ッ変…、あっ、あは…っ」
「お前さ、日に日にイきやすくなってね?そんなにイイのかよ。奥が?…俺が?」
「―…なんだよ、奥がいいし奥に届く優秀ちんぽがたまんないっていえば満足?」
「うん♡」
押し上げられるような感覚。悠の意志に反して身体がビクッと震えた。
調子に乗った怜司が、奥を探りながら会陰を指の腹でくにくに押してくる。
「あ、ああ…、やめ、う、…っそれ、もう…っS字がどうとか、関係な―…」
すっかり開発されて跳ねる自分の身体を憎らし気に眺めて、悠は湯の中でジャブンと身体を起こした。
「~~っ待て!怜司…!当たり前のように俺を開発するなよ、アンタもやれ!好きだろ、こういうの」
顔を寄せて煽るように、悠は抗議の声をあげた。
「さすがに俺は、男に入れられんのとか絶対無理~」
怜司が軽々しく笑うと、悠に「てめぇ」と睨まれる。
悠がイラっとした顔で湯の中で動き、怜司の胸を緩く押すと膝に跨がった。
「ならアンタは下でいいよ」
言うや否や、騎乗位で怜司を再び飲み込む。
湯がじゃぶじゃぶと波立ち、悠が腰をグリグリと動かすと、内側を圧迫してくる熱い快感が背を駆け上がる。
「ん…っ、お前…押し付けながら動かすなって…!」
下腹部を甘く痺れさせる悠の動きに、怜司も湯船の中で突き上げるように腰が動いてしまう。
二人は首に腰に腕を回し、ぶつかるように唇を重ねた。
熱い舌が絡み合い、唾液が混じって湯に滴る。
「怜司もっと…奥…ッ叩いて…ッ」
悠が喘ぎながらもどかしく腰を激しく動かし、怜司が下から突き上げる。
じゃぶじゃぶと湯が溢れ、七色の光が二人の紅潮した肌を照らした。
「そこ…何か内臓、が、アッ…押し上げられるみたいな…ッまだS字結腸ってのに届いてない…っ?なくて、これ…ッ?」
「わかんねー!もう、どこが何とか…ッ、お前の中がヤバすぎて…ッ!ジュボジュボしゃぶりやがって、くそビッチたまんねー…ッ」
誰がビッチだ、と悠に唇を噛まれる。
二人が湯の中で激しく動き合うが、S字結腸の桃源郷には届かず、息が上がる。
唇を貪りあい、腰をグリグリと擦り付け喘ぐ。
湯の中でのピストンはあまりにも摩擦がなく、ちゅるんちゅるんと飲み込んでは、失速せず奥を突きあげてしまう。
「ま゛、待っ、て、怜司、怜司…あっあっ、ここでイクのは、まずい――…っ湯に、ザーメンが…」
「ハ、ァ…っるせー!お前が誘ったんだろ!止まれるかよ…ッ」
湯がじゃぶじゃぶと波立ち、泡が増えていく。
二人が痙攣するように抱き合うと、とろりと吐き出された白濁が湯船で揺れた。
やがて動きが緩やかになり、絶頂した二人の息が重なる。
湯気の立ち上るバスルームに静けさが戻るころ、二人はぐったりと湯だっていた。
湯船の縁に身体を預け、荒い息を整える。
「湯の中で出すと、マスターに怒られるのに…、詰まるって…」
「悪い…まあ、すくって捨てれば、いいだろ…」
悠は怜司の隣に凭れ、グラスを手に取った。
氷が溶けたウイスキーを傾け、七色の光が二人の濡れた肌に揺れる。
「S字…結局届かなかったっぽいな…」
「俺のでも足んねーのか…マスターにあのでかいバイブ借りてみるか…?」
「ペニスサックって手は…?アンタのに足せばいけそうじゃん」
「あー、アリかもそれ。でも太さも増すけどお前だいじょぶそ?悠、ケツ閉じなくなるんじゃねぇの?」
「んー。腕くらいは入るって聞いたけどな…わかんねぇな俺も」
二人で大きく息を吐くと、天井を仰ぐ。
じゃぶっと水が小さく波立ち、
七色の泡が、二人の快楽の数だけ弾けて溶けていったのだった。
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