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第10話 ♡怜司の男根探し♡+1

※アホエロです。 ハプニングが起きがちなバー、セーブル・マーマーのバーカウンター。 そこには、美しいインキュバスがひとり、暇を持て余していた。 悠はタバコの煙をくゆらせながら、酒と淡い嬌声が混じり合う薄暗い店内の空気を吸い込む。 プレイルームからカウンターに戻ってきて暫く経つが、いつもは端でグラスを磨いているマスターが、ずーーーっと不在だ。 (怜司もいないな。まだ来てないのか?) するとカウンター奥の部屋がキィ…と開き、胡散臭い笑みが顔を出す。 マスターだ。 「マスター、そんなとこにいたんだ。何やってんの?酒作ってよ」 「悠君、ちょっとこっち」 どう考えてもついて行かない方が良い。ろくなことにならない気がする。 しかし…。解ってはいるが好奇心には勝てなかった。 (暇だったしな) 促されるままに奥の秘密部屋へ足を踏み入れると、淫靡な熱気がむっと肌を包む。 部屋の真ん中――、そこには、床にうずくまる怜司と、その周りに悲し気にぽろんと… 10本ほどの奇妙な玉付き男根が散乱していた。 それぞれ形や色が微妙に異なり、見覚えがあるような…ないような…。 どれもが情けなくも生々しく、床に転がる姿が異様な猥雑さを漂わせている。 ディルドかと思いきや、しおらしくぴくりぴくりと微かに身じろいでいた。 悠は一瞬目を丸くし、タバコをくわえたまま口端に笑みを浮かべると、 「なにこれ何したの」 と、プッと噴き出し、腹を抱えてギャハハと哄笑を響かせた。 怜司は顔を真っ赤に染めて、汗ばんだ額に髪を張り付かせながら、 「お前…笑うんじゃねーよ…っ」 と珍しく情けない声で呻く。 その情けなさすぎる姿に、悠の笑いはさらに弾け、部屋に響き渡る。 「まーじ!?まさかアンタ今ちんぽついてないの!??!女の子なの??!!!キャー怜ちゃんちょっと見せて見せて!!!」 「やめろ脱がそうとするな!傷に塩塗り込むな!!」 「きっ、傷、からっ、潮噴くかも…ウググッしんないじゃん!アーーーハハハハハ無理無理ひひいいいーー!」 悠の笑い声と怜司の怒号に被せるかのように、マスターがパチンパチンと手を叩く。 「あひっ…あ、ごめんマスター、どうぞ説明を…」 「――コホン。これはうっかり俺が逃がしてしまった寄生生物がカクテルに入っちゃってたみたいでね…。怜司君のがポロリしちゃったんだ」 聞いた悠は目を輝かせ、腹を抱えて笑いものにする。 「ひー!いいじゃん!!そのままでいろよ面白いから!!」 「お前、どこまでも他人事だと思って…っ」 怜司が悔しそうに顔を上げ歯を食いしばって睨むが、悠はタバコの煙を歪に吐き出しながら肩を揺らして笑うばかりだ。 マスターがグラスをカウンターに置き、薄暗い照明に照らされた顔に不気味な影を落としながら続ける。 「しかしここからが本題だ。ロイコクロリディウムって知ってるかな。そいつは宿主に寄生して、操り、次の寄生先に潜り込む。今回逃がした寄生生物は、それに似た性質があるんだ」 「ほおん。んでぇ?」 「まず寄生先の男根を根元から分離させ、擬態して近くで息を潜める。宿主が自分の男根と間違えて寄生生物を身体に戻そうものなら、その宿主の脳をのっとってしまうのさ」 悠が呆れた顔でタバコの灰を落とし、 「逃がすなよそんなもの」 と突っ込むと、怜司は怯えた目で膝を抱えたまま、「うぅ…」と呻き、震える指で床を掴む。 マスターがさらに続ける。 「そして、男根になった寄生生物は卵管を生成し、セックス時に女の身体に卵を植え付けて繁殖する…!わかるかい!?そうなったらこのハプバーは大変なことになるよ!!」 「自分のバーを自分で混乱に陥れるんじゃないよ。もっと厳重にしろって、変態生物の管理をさ」 どうしようもないな、と悠が呆れ顔で吐き捨て、怜司の情けない姿に目をやってくすくす笑う。 「事情解ったけど、じゃあ、怜司が自分の拾って付けたらいいだろ?」 気軽に言うと、怜司が慌てて顔を上げ、叫ぶ。 「俺にわかるかよ!!裏側とか見たことねーよ!!」 「握った感触とかあるだろ?」 「ムラついてる時の俺にそんなん覚えておける知性はないね」 「えらそ!でもま、確かに」 つまりだ、とマスターが目を細めてニヤリと唇を歪めた。 「怜司君の男根を咥えまくって間近でよく見ている、キミに頼るしかないんだよ。悠君」 「ハー、女の子差し置いて俺が一番咥えまくってんだ」 「結構この男根くんたちもね、バリエーションに富んでるから楽しいと思うんだよ!是非とも顔射されまくってほしい」 「マスターも一緒にやろうよ」 「残念ながらもう顔射やってないんだよね、俺は」 「閉店してんだ、顔射」 悠は一瞬タバコをくわえたまま黙り、怜司のうずくまる姿と床に転がる男根たちを見比べる。 うっすら聞こえるフロアのBGM。 酒と欲の香り、嬌声、笑い声。 目を閉じ悩むように首を回す悠が、パッと唇を鳴らして煙草を吸う。 このまま怜司が男根なしでしょぼくれてるのも面白い。 だが、そうなると怜司とセックスする楽しみが消える。 葛藤でせめぎ合ったが、悠は細く目を開き意を決した。 「わかった。探してやるよ、怜司のを」 自信ありの顔で笑いかけ、タバコの煙を吐き出す。 こうして、怜司の男根探しが始まった。 ♡つづく♡

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