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第5話

5. 「……や、ちょアーサー……擽ったい」 「気持ち良くないか? 俺はいつもお前にされると天にも昇るような気持ちになるが」  アーサーの膝の間で後ろ抱きされ、バスローブの前をはだけさせた恥ずかしい状態。  しかも先程から彼が胸の辺りをずっと撫でている。  素肌を直接触れられる擽ったさに、先程から身を捩って逃げようとしている。だが腰をガッチリホールドしている腕がそれを許してくれない。 「っ、ぁっ……!!」  不意に彼の指が胸の敏感な部分に触れ、聞いた事も無いような甘い自分の声が漏れる。 「あぁ……ここ、感じるんだな」  控え目に主張するピンク色の乳首を、アーサーが人差し指でクリクリと刺激すると、ピクピクと身体が跳ねる。  ……なに、これ……擽っただけじゃなくて、きもちい…… 「やっ、なんか変……アーサー、だめっ」  そこから発生した熱が、じわっと身体中に広がり…このままだとおかしくなってしまいそうで、必死に首を横に振った。 「嫌なら、止めようか」  ツンっと尖った両方の乳首を指で摘んで転がすアーサーの手が、ぱっとそこで離れて行ってしまった。 「……ほ、へ?」  まさか途中で止められるとは思わず…驚きの声が漏れる。 「ん、悪かった。今日は疲れたろ? もう眠ろうな」  胸にあったはずの手が頭を優しく撫で、彼はそのままベッドの中に移動してしまったので、俺も同じように1枚しかない茶色い毛布を一緒に被った。  ――どうしよう、眠れない。  どのくらい時間が経ったのか。窓からは月明かりが差し込んでいる。  あれから目を閉じたものの、下半身に蠢く熱を押し殺せず、今に至る。  ……それもこれも、中途半端に煽られた身体が大きな原因。  ――……あの時、止めなくてもよかったのに。  そんな言葉が自分の心に浮かび上がる度に、必死にそれを掻き消してを繰り返している。  何考えてんだよ。アーサーも俺も男で、アーサーは俺の愛剣で……そんな事していいはずない。  ――だが、あの快楽が忘れられないのも事実。  アーサーのすべすべで大きくて暖かな手が、上半身を撫で回す感触が、今も肌にまとわりついている。  あの手が、俺のアレ触ったら……どうなるんだろ。 そんなあらぬ妄想のおかげで、ずっと下腹部は熱を持ったまま。  抜かないと寝れないよなこれ。どうしよ、シャワールームでサッと終わらせて…… そう思い起き上がろうとした俺の身体は、強い力でベッドに戻された。 「眠れないのか?」  低く甘い声が聞こえるのと同時に、身体に回された腕にグッと力が込められた。  驚きとその後の感情はよく分からないが、そのせいで身体全部がまるで心臓になったかのようにドクンドクンと脈打っている。  アーサーの問いかけに、素直にこくんと頷いた。 「……ココが気になって、眠れない…?」  毛布の上から抑えていたはずの腕が、いつの間にか俺の内腿を触っている。 「……っ、ぁっ……や、ちが……」  慌てて首を振りはするが、身体はなんと正直な事か。  あからさまに俺の局部は、ググッと頭を持ち上げる。 「ココはそうだと言っているが?」  |あ《・》|の《・》アーサーの指が先端を軽く撫でると、漸く触られた悦びにソレが応えるように震える。 「……ぁっ、や、……ぁっん、だめ、やめっ……」  何度も先端部分を撫でられると、口から聞いた事も無いような高い声が漏れ、慌てて下唇を噛んだ。 「あぁ、嫌なら止める。悪かったな」 「……っ!!」  少しでも拒否の言葉を口にすると、アーサーはパッと手を離してしまう。  ……ここで止められると更に酷い熱に犯され、眠れないどころではないのは分かっている。 しかも今、俺はとんでもない事を思ってしまっている。  ――自分の手じゃなくて、アーサーの手で抜いてほしい。 きっとこれはそう、初めての体験ばかりで、脳がイカれてしまったせい、絶対そう。 意を決し、身体をぐるりとアーサーの方へと反転させる。 月明かりに照らされて見えた表情に「しまった」と思ったが……時すでに遅し。 「別に、嫌じゃない……から、その……」 「その……? 何、ロア」 彼は片口角を吊り上げて、それはそれは|愉《・》|し《・》|そ《・》|う《・》|に《・》|笑《・》|っ《・》|て《・》いた。 全部、アーサーの術中。 頭ではそう思うのに、口は別の言葉を紡ぐ。 「続きを、して欲しい……お願い」 「お前が望むならば……してやろうか、最後まで」  ん……? と些か疑問に残る言葉も聞こえた気がしたが、そんなものは覆いかぶさったアーサーの唇と手のひらで吹っ飛ばされて行った。 「可愛い、ロア。好きだよ……ずっとこうしたかった」  口付けは、直ぐに深いものへと変わった。  顎を掴まれ、息もできない程隙間なく俺の唇はアーサーの唇に覆われる。そして、あのとんでもない快楽を呼び寄せる舌が口内を這いずり回る。  歯列を舌先で丁寧になぞられ、上顎を何度も舐められると途端に身体から力が抜けていく。  舌先を彼の舌先で突かれ擦られると、喉から聞いたこともない甘い声が込み上げてきた。  身体が酸素を欲しがり、アーサーの背中に回した手がギリっと爪を立てそれを伝える。 「ふはっ……ぁ、んぁ……はっは……」  |漸《ようや》く唇を解放され、肩で酸素を取り込む。 アーサーはと言うと、俺の首筋に顔を埋め先程からそこを甘噛みしている。  時折ピリッとした痛みが走るが、不思議と痛いとは感じない、寧ろ今の俺にはそれすらも快楽のひとつになっている。股間に熱が再び溜まるのを感じ、同時にドクドクと脈打ち始める。 「ココ、また硬くなった。気持ちよかったんだな、可愛いロア」 「っ……いうな、よ……」  かぁぁっと顔が赤くなり、思わずそっぽを向く。  そんな様子をクスクスと笑いながら、アーサーは硬く持ち上がった局部を握り上下運動を始めた。 「んぁぁ! は、んぁ……っっ!!」  ナンダ、コレ…… 「んんっ、ふぁっ……ぁっあっああっ……」  キモチイイ…… 「先から漏れるの止まらないな。そんなにイイ?」 も、なにもかんがえられない……  くちゅくちゅと音を立て、ソレをアーサーが扱く度に理性が溶けていく。  先から溢れる先走りの液を全体に塗りたくり、滑りの良くなったソレは、先程から絶頂に促すかのように強い刺激を施されている。  さっきからアーサーの顔が驚くくらい色っぽく笑ってて、それと目が合えば更に股間が脈打つ。 「あっ、んふ……も、でる……っ、ね、あー、さー……」 「出せよ。……俺の手の中でイこうな、ロア……」 「んぁぁ! ぁぅ、あっ、ぁっあ……イっ……く……んんんっぁ!!」  親指で先をぐりっと押され、裏筋を強く擦られると、呆気なく果ててしまった。  ハァハァと荒い息でベッドに倒れ込む俺の股の間に、アーサーの顔が移動した事に気がついたのは…局部を初めての感触が包んだ時だった。  

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