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第13話
13.
「い、いやなんで……なんで入ってきたんだよ」
「ん? 心配掛けた詫びに、お前の身体を洗ってやろうと思ってな」
狭い狭いシャワー室。
1人でも狭いと感じるこの部屋に、大の大人が2人、肌を寄せあっている。
動く隙間の無い空間で後ろから抱き締められ、肌はピッタリとくっついたまま互いの熱を直で感じあってしまう。
「これじゃどこも洗えない……」
「俺が全身洗うから問題ないだろ」
そう言い切ったアーサーは手を伸ばし、ボディーソープの入った瓶を手に取ると、蓋を開け中身を手に広げる。人肌に温まったそれを、直接俺の身体に満遍なく塗り付けてきた。
「ちょっ……擽ったい……」
右腕を撫でられ、そこから脇を擦られるとあまりの擽ったさに身を捩ってしまう。
「どこ触っても気持ちいいな、ロアの肌は」
そう言いながら脇の窪みを刺激するのを止めてはくれない。擽ったいという感触の筈が、段々と変な気持ちに変わってくる。
気付けば俺の口からは、甘い息が漏れていた。
「ね、そこばっかりじゃなくて……他もちゃんと」
流石に脇で感じてしまうなんて、恥ずかし過ぎて目も当てられない。動く様子の無いアーサーの手を引き離し、身体の真ん中の方に動かした……までは良かったが、勢いよく動かしたその手を置いた場所はら何と自分の胸の突起の上だった。
「……っっ!!」
これじゃまるで、ここ触ってって言ってるような……
やらかしたァ! と冷たい汗が流れると同時に、すぐ様彼の両手はしっかりと乳首を掴んでいた。
「なんだ、ココ触って欲しかったのか?そうならそうと言えばいいものを」
やっぱり、そうなるよねぇぇ!?
後ろから、あからさまに上機嫌な声が聞こえてきたかと思えば、両方の乳首をクリクリと弄り始める。
「ちょ、……ぁ、っ……まっ、て……っんぁぁ!!」
ボディーソープで滑りが良くなったソコは、いつもの倍以上の刺激を生み出す。
「待たない。触って欲しかったんだろ? こんなに可愛く勃って」
左側を爪で引っ掻きながら、右側を指の腹で押し潰しながら捏ねられると、熱い快楽という湖がそこに生まれる。
「ぁっ、あっぁ……そんなしたら、だめ、だって……っあ!」
腰を大きく前に反ったせいで、猛った下腹部が2人の目の前に現れる。
「あぁ、ココも?」
左手はそのまま右手だけを下ろし、そのまま局部に触れるのかと思いきや、彼の手はその周囲を弄っている。
中々熱源に触れないその手がもどかしくて、つい手の方向に身体を捻じる。
「っ、……なんで、ね……アーサー」
「なんでも何も……頼まれてないからな」
きっと今頃、片口角を上げて笑っているのだろう。そう思うと、意地でも頼んだりはしない……と俺の心が謎の反抗期を迎える。
いつまで経っても何も言わない俺に焦れたのか、アーサーは唐突に俺の身体をひっくり返す。
「ぇっ……ちょ、……っあ!」
正面から抱き合う形になり、既にボディーソープでぬるぬるとした身体の正面がアーサーの身体に擦れる形となった。
……あ、これやば……
「背中も、ロアの大好きなお尻もしっかり洗おうな」
そう言ってアーサーの腕が臀部へと下り、自然と俺の身体に彼の身体が強く押し当てられる。
「……っひ、ぁっ、あっ……んぁ……」
ツンっと尖り滑りの良い乳首が彼の逞しい筋肉に擦れ、今にも破裂しそうな局部が彼の太腿に触れると…もう我慢が出来なかった。
「凄いことしてるなロア、俺の身体使って……最高に可愛い」
「ぁっ、んふ……は、きもち、い……ぁっあっ……」
肩にしがみつき、必死に局部と乳首をアーサーの身体に擦り付け快楽を得る……いま、とんでもない痴態を晒しているのだろう。
だが、そんなのどうでも良くなるくらい…その行為は気持ちよかった。
「どう? そんな恥ずかしい事して、気持ちいい?」
ップっと秘部に指が嵌ると、更に動きは加速する。
「は、っ……は……きもち、い、アーサー……ナカも、ぐちゅぐちゅして……」
両足でアーサーの太腿を挟み込み、そこにぬめった局部をグリグリと擦り付け、欲で潤んだ顔で彼を見上げながらそう懇願した。
アーサーの美しい顔が、悦で歪む。
その表情がまた俺を、欲情の沼へと引き摺り込む。
「俺がこんな表情をさせてるのか」なんて恍惚な顔で手を伸ばしてアーサーの頬を撫でると、小指をカプッと噛まれた。
「んぁぁ!! ……ぁっ、あっ……い、く……っっんんッッ」
そんな些細な刺激で、猛った俺のソレは互いの腹に精液をぶちまけた。
「……ロア、煽りすぎ。ちょっと酷くなるけど……まぁ、そのくらいのがお前も好きだろ?」
ハァハァと呼吸を整えている俺の身体を、アーサーが正面から壁に押し付ける。
「な、に…? っ……んんぁぁ! ちょ、ま……って……ぁあぁああっ!!」
両手首を掴まれ壁に背中を押し付けたまま、既に熟れた果実のような秘部に彼の硬い欲が押し当てられ、そのままナカへと飲み込まれていく。
更にアーサーは、ガンガン奥の壁を容赦なく突き上げ始める。
その度に俺の両足は宙に浮き、先程からはもう吊られている状態になっていた。
「奥、気持ちいいか? もうちょっと先まで行けそうだけど」
「ぁあああ!! だめ、だめ……奥こわれる……おかしくなる……からぁ、はっはっ……あぁぁあッッ」
アーサーの突き上げと自重で、いつもより強く最奥の壁をぐぽぐぽと突き上げられ、俺の下腹部が噴火した火山かのようなとてつもない熱で覆われる。
浮遊感も相俟って、この快楽は……やばい。
麻薬のような快楽が俺の身体をぐるぐると巡る。
肩口に荒い吐息が掛かり、チラリとそちらに目を遣ると、そこには「ふー、ふー」と息を荒らげ、瞳孔が開き切った目で俺の事を突き上げるアーサーの姿があった。
そこまで、欲に狂ったアーサーを見た事がない。
それに煽られてしまった俺は、もっと彼が欲しくて堪らなくなり、奥の壁を突き破るかのように動く彼のソレを、俺は思わずぎゅぅぅっとキツく締め上げる。
「……っ、凄いな、ロア。あぁ、もう……俺もおかしくなりそうだ。2人で壊れてしまおうか」
そう言ってアーサーは俺の首をねっとりと舐め更に奥を求めてぐぷっ、ぐちゅっと激しく突き上げる。
俺のナカはもう狂ったように絶頂状態で痙攣し続けていた。
「ぁあ! ぁっああっあ、あぁっ……はっ、は……も、イクの止まんない……きもちい、もっと、ぁっん、ぁ……アーサーの、ほしい」
「いくらでもあげるよ、愛しいロア。俺はお前のものだから。……だからもっと啼け、ロア」
今まで聞いた事ないような低い声で、そんな乱暴な言葉を言われると、それだけで身体の熱が弾けてしまう。
「っっ! ぁっ、ああああ!! きもちい、きもちい……んぁぁ……もっと、おなかパンパンにして……」
深い深い部分に彼の先端が嵌り、そこをぐぷぐぷと擦られると、浮いた爪先にぎゅぅぅと力が入る。
「まだ足りないだろ? もっと欲しがれよロア。俺のコレ、大好きだろ?」
欲しがり善がる姿はアーサーの琴線に触れたようで、首筋に歯をガリッと立てながら容赦なく奥を突き上げる。
「アーサーのおっきいの……き、すきっ、だいすき……ぁっあっ! ひっ、硬いのでそんな突いたら……おれのあな……こわれ、る……っ、! んぁぁあっ、はっ」
「そんな煽るなら、望み通りぶっ壊してやるよ」
彼が耳元で囁いた声にいつもの優しさなんて微塵もなく、動物が本能で欲を貪るような姿に…俺はどうしようも無く興奮してしまって。
ガンガンと最奥を食い破る彼の愛しいソレを、ココから出て行けないように千切れる程に締め上げる。
「も、……だめアーサー、イク、いっく……アーサーっ、んぁぁぁああぁ!」
「っ……くっ、ロアっ……」
触ってないはずの俺の局部から精液が弾け飛び、宙を舞う内腿を伝って、爪先からポトポトと床へと零れていく。同時にアーサーも低く唸り、腹の中に大量の熱い液を注いだ。
抱き合ったまま俺たちは、その狭いシャワールームに崩れ落ちた。
「……は、はっ、やば、い……お尻のヒクヒク止まらない……」
絶頂は終わりを迎えたはずなのに、俺の下腹部は一向に痙攣が治まる様子がない。
「可愛い。ホントに壊れてしまったな、ロアの身体」
アーサーは、俺のナカにまだソレを入れたまま、愛おしくて仕方ないという風に何度も頬に口付ける。
「っ……ぁっ、あっ……も、おかしくなったのかな……どうしよ…」
「別に? 俺が責任取るから問題ないだろ」
「……っっ!」
「責任を取る」そんな言葉に、いちいち俺の身体と心は反応してしまう。
真っ赤になった耳にアーサーの吐息が掛かる。
「愛しているよ、ロア。……ずっと一緒に居よう」
「……っっ!!」
俺はそっぽを向いたまま、小さく首を縦に振った。
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