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二つ
高校に上がって俺にも変化があった。
そう、俺は悠斗が恋愛として好きなんだと。
最初は戸惑ったけど、俺さえ黙っていれば今までと同じ“幼なじみ”で“親友”で居られる。
きっと、大丈夫だと自分に言い聞かせて俺は自分の気持ちを奥深くに閉まった。
「俺の?」
「そう!秀生ってさぁー、バイト掛け持ちしてんのに学校真面目に来るよなぁって話」
「あー・・・成る程な。でも悠斗だって学校来てんじゃん。不良のくせに」
「うっ・・・そりゃぁだって・・・お前が」
「俺?」
「~~~~やっぱなんでもねぇっ!」
急に口ごもる悠斗に聞き返すが、何故かはぐらかされてしまう。
若干頬が赤い気もしたが、今日は一段と暑いとニュースでしていたからそれでかと思ってあまり気にしなかった。
「あっ、ヤベェ…教科書忘れた;;」
「うわー。それ学校来てる意味あんの?」
「うっせ…あー、やる気失せたーサボりたい」
鞄を漁っていた俺は教科書が無いのに気付き落ち込む。
いや、仕方ないとは思うんだけど…流石にバイト掛け持ち&学校ってキツいし教科書忘れたヤツは悠斗が居ない教科だったし。
ぶっちゃけて言うと今日の授業は悠斗と同じ教科が二つあるだけで、後の三つは別だったから興味無いと言うかどうでもいいかと思っちゃったのがいけないんだど俺は思う。
(…いやいや、どんだけ悠斗中心にしてんだ俺…)
好きだと分かって以来、俺の気持ちは俺を無視してドンドン大きくなっていって…今日だって悠斗に会いたい一心で寝てればいいのに目は覚めて来ちゃった訳だし。
さっきも笑った顔見た瞬間に思ったのは“あ、ヤバい超癒されるっ”みたいな事を口に出さなかったのを誰か褒めて欲しいくらいヤバかったんだぞ。
でもまぁ、眠すぎる頭で授業受けてもきっと呪文みたいにしか聞こえないだろうからサボろうかなと考えていると。
「じゃあー、俺もサボろーっと」
「えっ。急にどうした?」
「別にー?秀生だってサボるのにオレだけサボらないとかありえねぇだろと思っただけ」
悠斗は当然のようにサボる宣言をして訳の分からない屁理屈まで言いのけたが、内心の俺は悠斗と一緒に居られるのではと嬉しさが込み上げて来そうになったのを必死に押さえ込むのに必死になっていた。
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