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四つ
「っん!?ちょっ……しゅぅ…せ…!」
「馬鹿。喋んな」
悠斗のしゃがんだ後ろ姿に俺は覆うように抱き締めて、抵抗する腕を片手で押さえつけると空いているもう片手で悠斗の顔をこっちに向けさせると、俺は無理矢理キスをした。
「……っ……ふぅ………ちょっ……まっ」
息が出来ていないのか、悠斗は苦しそうに何かを言おうとしている。
それが更に俺を煽っていく。
ゾクゾクする。
空いた口の隙間に舌を入れて俺は悠斗の口の中をかき混ぜるように舌を動かした。
(…やばい。コレ確実に嫌われるレベルだ)
苦しくて涙目になっていく悠斗の姿の一つ一つが俺の欲望を強くしていく。
深く。もっと深くと願うにつれてただのキスからディプキスになっていた。
やっと満足したのか、悠斗の唇から口を離す俺も悠斗も息が上がっている。
「……っわ、りぃ…」
「…はぁ……っはぁ……なんで、謝んの?」
俺から解放された悠斗の身体は床に座り込んでいて、顔は俯いていた。
徐々に理性を取り戻していく俺は、完璧にやってしまったと罪悪感で胸がズキズキするのを感じた。
怒っただろうか。軽蔑するだろうか。もう親友と呼んでくれないのだろうか。…幼なじみとしても居てくれなくなるのだろうか。
そんな事が頭の中でグルグルと渦巻く。
「……ワリィ。俺…キモい、よな」
「………」
「ずっと我慢してたのに…止めらんなくなって…っ」
「………」
「嫌われるって分かってたのにっ」
これは本当にヤバいと思った。
悠斗は何も言わず、その沈黙がなんか嫌で俺はベラベラと口から本音が零れていくのを止められなくなった。
「………ばーか」
「っ!?」
やっと悠斗の声が聞こえたと思ったら、俯いていた顔が真っ直ぐに俺を見ていた。
「秀生って本当に馬鹿だよ。なんでそんなに傷付いた顔すんの」
「だって…俺っ」
「はぁー、もぉー・・・オレの計画がパァになったじゃん」
「っは?計画??」
「そー。今日はさ、その為に色々考えてたんだ。なのに、先越されたとか……あーもぉーホント…いっつも秀生には適わないわ」
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