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悠馬先輩にお仕置き①

 “ノンケ”の僕が見惚れるくらいだから、浅井先生が喜ばないはずがない。  “チ×ポ”丸出しの悠馬先輩を眺めて、強面に満面の笑みを浮かべている。  そんな先生に向けて、悠馬先輩は声を弾ませて、言った。 「先生、早く“お仕置き”を始めてくださいよ……?」  満面の笑みを浮かべたまま、浅井先生はゆったりとした足取りで、悠馬先輩の背中に歩み寄った。  左右の手を先輩の両肩にそれぞれ置いて、先輩の右耳に唇を近づけると、まるで子供に訊ねるかのような口調で、先輩にいくつか質問をした。 「悠馬は“童貞”じゃないんだろ?」  悠馬先輩は頷いた。 「中学の頃に五人くらい女子と付き合って、その“元カノ”とは、みんなエッチしました……」 「じゃあ、お前はやっぱり“ノンケ”なのか?」 「はい。だけど……男同士の世界にも、前々からちょっと興味があったんです……?」  ついさっき、悠馬先輩は自分から先生に“お仕置き”をせがんだ。  その理由も、きっとそこにあるんだろう。 「フフッ、そうか……?」  先生の微かな笑い声が、どこか意味深に「生徒指導室」に響いた。 「じゃあ、男同士の世界の快楽を、俺が教えてやろうな……?」  恩着せがましく言って、先生は両肩にのせていた手を、先輩の胸へ赴かせた。  いったん握り拳をつくってから、人差指と中指を伸ばした。  その二本の指先で乳首を挟んで始まったのは、まるで先輩の乳首に“媚薬”を塗り込むかのような愛撫だった。  小さな円を描くように、先生がゆっくりと指先を動かすと、先輩の乳首はクニュ〜ッと捩られる。 「ハアァァァ……ハアァァッ、ハアァァァッ……」  すぐに先輩の吐息は掠れて乱れ、間もなくしてその吐息には、先輩の喘ぎ声がひとつ、またひとつとのるようになった。 「ハアァァ――あっ……ハアッ、ハアッ……ん、あん……」 「悠馬、イヤらしい声が出てるぞ……?」  いっそう嬉しそうに、浅井先生が悠馬先輩の耳元で囁いた。 「乳首で感じてるんだな……?」 「はい……あぁぁ、あぁ……ん……」 「フフッ、でも、感じている悠馬、すごく可愛いぞ……?」    先生がそう返した直後――まるで「可愛い」という言葉に反応したみたいに――先輩のオチ×ポが、ムクムクと膨張を始めた。 「おおっ!?」  鬼の首を取ったみたいに、浅井先生が叫んだ。 「悠馬のチ×ポ、勃ち始めたぞッ!?」  “恥態”を指摘された先輩は、照れたように笑った。   「チ×ポが勃つところを見られたって平気だと思ってたけど、いざこんな風に見られると、やっぱり恥ずかしいですね……?」          ♫ ♫ ♫  ちょっと悔しいけれど、傍らで眺めている僕も、浅井先生と同じことを思った。  悠馬先輩の「美少年」としての本来の魅力が、荒々しい“野性味”だからこそ、感じている悠馬先輩のことを可愛いと思った。  同時に、僕は今まで以上に悠馬先輩のことが怖くなった。  というのも、僕の知っている悠馬先輩は、いつも堂々としている。  滅多なことでもなければ、他人の前で「恥ずかしい」なんて言葉を口にしたり、照れ笑いを浮かべたりはしない。    たとえ本当に恥ずかしいことがあっても、きっと強がるだろうし、無表情を貫くだろう。  でも浅井先生の前では、悠馬先輩は「恥ずかしい」と素直な感情を躊躇なく見せた。  つまり、今の先輩は先生を信頼して、先生に心を開いているということだ。  先生の従順な“教え子”だということだ。    ということは、先生の「指導」が終わる頃には、先輩はいっそう冷酷な“いじめっ子”になっている。  その暁に“いじめられっ子”である僕を待ち構えているのは、より陰惨な未来に違いないと思って、僕は怖くなった。          ♫ ♫ ♫  一方の浅井先生は、喜んだみたいたいだった。  きっと先生の目には「恥ずかしい」と呟いた悠馬先輩も、やっぱり可愛く映ったのだろう。 「今さら恥ずかしがっても、許さないぞ? これはあくまでも“お仕置き”なんだからな……?」  まるで恋人とじゃれ合うかのような“ノリ”で、悠馬先輩の耳元でそう囁くと、乳首を愛撫する指遣いを新しくした。  今度は左右の人差指の先で、悠馬先輩の双方の乳首を交互に突く。 「あんっ……あっ……あっ……」  先生の指使いに合わせて、悠馬先輩が何度か悶えた時だった。 「悠馬、チ×ポを勃てろ〜ッ……」  まるで呪文を唱えるみたいに、先生が悠馬先輩の耳元で、勃起を煽る言葉を繰り返し始めた。 「ほ〜ら、チ×ポを勃てるんだ〜ッ……」 「あっ、あっ、あぁ……」 「勃てろ〜ッ、勃てろ〜ッ……」 「あっ、あぁ、あん……」  そんな二人の様子は、やっぱり恋人同士が、恋人同士だからこそ許される下らない“お遊戯”を楽しんでいるみたいだった。  浅井先生も口元に微笑を浮かべていたし、悠馬先輩の照れ笑いも消えない。  だけど、先輩のペニスが“半勃ち”になったところで、先生は愛撫を止めた。 「“お仕置き”はこれで終わりだ……?」  指先は乳首に添えたまま先生がそう言うと、悠馬先輩は拍子抜けしたようだった。  しばらく呆然としたあと、ちょっと悔しそうな顔をした。 「先生、こんな中途半端なところで止めないでください……?」  悠馬先輩がそう訴えると、先生は惚けた感じで返した。 「でも、お前はさっき『恥ずかしい』って言っただろ? 俺としては、悠馬に優しくしてやったつもりなんだがな……?」          ♫ ♫ ♫  僕も男の子だから、“お仕置き”を中断された悠馬先輩の辛さはよく分かった。  ペニスが“半勃ち”で愛撫を止められるなんて、先輩にしてみれば“生殺し”みたいなものだろう。  もちろん、先生だって男子だから悠馬先輩の悔しい気持ちは知っているはずだし、何より先生の惚けた感じがありありと物語っている。  “お仕置き”の終了は、先生の優しさなんかじゃなくて、意地悪に違いなかった。  じゃあ、何で先生がそんな意地悪を悠馬先輩にしたかというと、その理由も単純だ。  悠馬先輩のもっと可愛い魅力を引き出したいからにきまってるし、実のところ先生の目論見は成功したみたいだった。           ♫ ♫ ♫  甘えるように悠馬先輩が言った。 「先生……俺の乳首を、もっと感じさせてください……?」  でも、意地悪な浅井先生はまだ勿体つけようとする。 「いいのか? これ以上乳首をくすぐったら、お前のチ×ポはビンビンに勃っちゃうぞ? ビンビンのチ×ポを俺に見られたら、お前も恥ずかしいだろう?」  先輩はやっぱり従順だった。 「はい、きっと恥ずかしいと思います……」  恥ずかしさを感じてしまう自分は躊躇なく認めたうえで、恥ずかしい願望も先生に素直に打ち明けた。 「でも、たとえ恥ずかしくても、もっと乳首で感じたいんです……」  またも甘えたような顔で“おねだり”する先輩に、先生は聞き返す。 「俺にビンビンのチ×ポを見られる覚悟は、できてるんだな?」 「はい……」  先生の“強面”に、また満面の笑みが広がった。 「いいだろう。“お仕置き”を続けてやろう……?」

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