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蹴り上げられるペニス②
「や、やめてくださいっ……先生、乳首くすぐらないでっ……やめてくださいっ……」
情けないことではあるけれど、先生に乳首をくすぐられて、僕はやっぱり感じてしまった。
その快感は、相変わらずペニスにもしっかり伝わっている。
先生に乳首をくすぐられている以上、ペニスが小さくなるのは望めないだろう。
「や、やめてっ……乳首、くすぐらないで……」
ひたすら哀願する僕を冷ややかに笑いながら、怜央先輩が一歩前に進んだ。
「怜央先輩っ……」
交渉の相手を、背中に寄り添っている浅井先生から、目の前に立つ怜央先輩に変えた。
でも、話の内容は同じだ。
怜央先輩に向けても、僕はひたすら哀願を繰り返すしか出来なかった。
「やめてっ、やめてっ……やめてっ……やめてっ、やめてっ……やめてっ……
けれども、僕が七回目の「やめて」を言おうとした時だった。
怜央先輩が、逞しい右足を鞭のように撓 らせた。
「やめ――あおぉッ!!」
弾みのついた足の甲が、僕の勃起したペニスを蹴り上げる。
その苦悶に、僕は哀願の言葉を途中止めにせざるを得なかった。
「ハハハッ……」
僕の悶絶の声には、浅井先生の楽しそうな笑い声が続いた。
「チ×ポ、思い切り蹴られちゃったなあ……? 」
と、そこで先生は、僕の乳首をくすぐる指遣いを、それまで以上に繊細で丁寧なものにした。
「あはぁ……」
たった今ペニスを蹴られて悶絶したせいで、僕の唇は緩んでいた。
おかげで、それまでは抑えていた恥ずかしい声が漏れてしまった。
「はあぁ、あん……」
三人に、そして僕自身も初めて聞く、僕の感じている声だった。
「フフッ……」
さっきペニスを勃起させた時に僕をからかった悠馬先輩だ。
僕の恥ずかしい声を聞いて、黙っているはずもなかった。
「イヤらしい声出してんじゃねえよ……?」
♫ ♫ ♫
でも、二人だって、もう散々恥ずかしい声を僕に聞かせている。
それなのに、僕が恥ずかしい声を上げた途端に笑うなんて、ずいぶんと理不尽な話だと思った。
だけど、その理不尽さに耐えなければならないのが、“いじめられっ子”の「義務」だということも、僕は知っていた。
♫ ♫ ♫
「感じてる暇があったら、さっさとチ×ポを小さくしろよ……?」
そう言うや、怜央先輩がまた勢いよく足を振り上げた。
「あん、あぁ――んおぉッ!」
乳首を愛撫されて漏れる声を、僕は苦悶の悲鳴で遮った。
だけど、悲鳴の後には、すぐにまた恥ずかしい声を続けた。
浅井先生が、ずっと乳首をくすぐり続けているからだ。
「あっ、は、あん……」
そんな僕を呆れたように眺めながら、怜央先輩は今度は三度立て続けに、僕のペニスを蹴り上げた。
「あっあん、あ――んあぁッ! うはぁ! んああ!」
この三度目の悲鳴に間髪入れず、僕は後ろにいる浅井先生に言った。
「先生っ、乳首くすぐらないでくださいッ!?」
さっきまで何度も繰り返した哀訴と同じだけど、今回は理由も付け足した。
「先生に乳首をくすぐられると……オチ×ポ小さくなりませんッ!?」
この理由を伏せていたのは恥ずかしかったからだけど、案の定、三人は失笑した。
「ハハハッ……お前、バカじゃねえの? 自分が何を言ってるか分かってんのかよ? ハハハ……」
笑い声に交えて、悠馬先輩が吐き捨てるように言った。
怜央先輩も笑いながら、その理由を取り上げて、僕を責めた。
「自分のチ×ポがスケベなだけなのに、それを先生のせいにするのか……? お前は最低だな……?」
それからまた「フフフ……」と笑うと、怜央先輩は
抑揚のない声で言った。
「『僕のチ×ポは、スケベです』って、言ってみろ……?」
「え……?」
僕は躊躇った。
いくら“いじめっ子”の命令とはいえ、さすがに口にするには恥ずかしい台詞だった。
結局、乳首をくすぐられる快感に悶えるしか出来ないでいると、怜央先輩がまた僕のペニスにバシッと一撃を加えた。
「あ、あぁん……あっ、はぁ――んおぉッ!!」
「さっさと言えよ……?」
「は、はいっ!?」
もう観念するしかなかった。
僕は――だらしない声を端々に交えながら――その恥ずかしい台詞を口にした。
「はぁ、あ……僕の……チ……チ、チ×ポは、あん……スケベ、です……あ、はぁん……」
言い終わるや、三人がまた失笑を体育倉庫に響かせた。
その失笑の最中に、怜央先輩が、僕が次に復唱する台詞を口にした。
「『みっともないチ×ポを見せて、ごめんなさい』……」
「みっとも、ないチ×ポを……あぁん、見せて……ごめんなさい、はあ、あん、あぁん……」
この二つ目の台詞の復唱には、素直にしたがった。
だけど、次の三つ目の台詞には、僕はまた躊躇した。
「『僕は悠馬先輩をイヤらしい目で見て、チ×ポを勃ててしまいました』……」
この台詞を復唱するのは、危険だと思った。
ちょっと大袈裟な言い方をすれば「自白の強要」というやつで、僕は“冤罪”を認めてしまうことになる。
「はぁ、あ、あっ、あ……」
またしばらく、乳首の快感に悶えているだけていると、傍らにいた悠馬先輩が久しぶりに口を開いた。
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