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恥辱の牛乳浣腸②
こうして、四本の絵筆が、はち切れんばかりに勃起した僕のペニスに纏わりついた。
その光景を目の当たりにした時、僕の“への字”にした唇からは、もう力が抜けていた。
唇を噛み締めるのを忘れても仕方ないと、自分で自分を納得させるに十分な、あまりにも卑猥な光景だった。
それに加えて、“ウラスジ”をジリジリと這い上がる絵筆や、“亀頭”を撫で回す絵筆から肉体的な快感を与えられると、もう黙っていられなかった。
「ああッ!」
とうとう僕の唇から「牛乳浣腸」の“合図”となる、恥ずかしい声が零れ落ちた。
「あ、あぁぁっ……」
三人で一斉に「フフッ」と失笑を漏らした後、悠馬先輩と怜央先輩が、それぞれ絵筆を退かした。
四本の絵筆がペニスから離れると、僕の恥ずかしい声も治まる。
沈黙の中、浅井先生が思わせぶりな口調で呟いた。
「伊織、イヤらしい声出しちゃったな……?」
その声には、いよいよ「牛乳浣腸」を実行しようという意志がはっきりと感じられた。
「ゆ、許してッ!?」
唇から力を抜いてしまったことを後悔しながら、僕は今一度の容赦を求めた。
「か、浣腸は許してッ!?、浣腸は、ヤダッ!?」
でも先生は僕を無視して、悠馬先輩と怜央先輩に言った。
「悠馬、怜央……伊織の乳首やチ×ポ、もっと可愛がってやれ……?」
続けて、冷笑を豊富に含んだ声で呟いた。
「伊織がイヤらしく悶えたら、浣腸を始めよう。チ×ポや乳首をくすぐられて悶えているところに浣腸したら、伊織がいったいどんな声を出すのか、楽しみだな……?」
僕のことを卑猥な「実験」の“モルモット”とでも思ってるかのような言い方で、僕としては屈辱以外の何物でもない。
だけど、悠馬先輩と怜央先輩は、やる気満々だった。
「なあ、伊織……?」
二本の絵筆を僕の顔の前に掲げて、悠馬先輩が聞いた。
「どこを可愛がってほしい……?」
もちろん、この状況にいて答えられる訳もなかった。
これから浣腸される、その恐怖に怯えるしか出来ないでいると、怜央先輩が言った。
「恥ずかしくて答えられないんなら、俺が決めてやるよ……?」
それから、悠馬先輩に指示を出した。
「悠馬、チ×ポと左の乳首を可愛がってやれ……?」
愛しい“彼氏”の言いつけに、悠馬先輩は嬉しそうに頷いた。
そんな悠馬先輩を見届けて、怜央先輩はさらに続けた。
「伊織がイヤらしい声を出したら、きっと先生は伊織に浣腸するだろう? 先生が浣腸したら、次は俺が悠馬を感じさせてやる……?」
「え……?」
「俺が、悠馬の乳首を可愛がってやる……?」
悠馬先輩の顔に満面の笑みが浮かんだ。
しばらく、まるで眩しいものを眺めるかのような目で怜央先輩の顔を見つめ返した後、今度は獲物を狙う獣のような目で、僕を見た。
「伊織、聞いただろ……? お前がさっさと浣腸されれば、俺が怜央に可愛がってもらえるんだ……?」
言いながら、悠馬先輩は怜央先輩の指示を忠実に守って、右手に握っている絵筆は僕の左の乳首に、左手の絵筆はペニスに、それぞれ赴かせた。
「いっぱいイヤらしい声を出せよ……?」
そう言うや、まずは左の乳首を包む絵筆を、小刻みに震えさせた。
「あ、あぁ、あ、はぁん……」
たったそれだけでも、今の僕には「イヤらしい声」を出すには十分な快感だった。
寧ろ――皮肉な話ではあるけれど――これから浣腸される恐怖から逃れたくて、僕の本能は快感を求めていた。
「はぁ、はあっ、あ、あん……」
最早「牛乳浣腸」されることが決まった今、僕は恥ずかしい声を喉元に押し留めようとも思わなかった。
その一方で――我ながら往生際が悪いとは思いながらも――一縷の望みをかけて、僕は浅井先生に浣腸の中止を訴えた。
「浣腸は、許してッ……あ、あっ、はあ――」
その哀願から、間髪入れない瞬間だった。
「――はぁあん……」
新たな快感が追加されて、僕は乳首の愛撫で悶えていた声をひときわ大きくした。
悠馬先輩が、絵筆を軽やかに滑らせて、ペニスの“ウラスジ”をさらっと撫で上げたのた。
悠馬先輩は、さらに三回“ウラスジ”を撫で上げて、僕はその三回全てに、賑やかな喘ぎ声で応えてみせる。
「はぁあん! あはぁ! はぅああっ!」
「すげえ感じっぷりだな?……」
満足そうに呟いて、悠馬先輩が聞いた。
「チ×ポと乳首、どっちが気持ちいいんだ……?」
「あっ、はあっ、あぁ……あん……」
またしても答えにくい質問をされて、僕が返答に窮していると、後ろにいる先生から叱責の声が飛んた。
「お前は礼儀ってものを知らないな……? “先輩”の悠馬が『どっちが気持ちいいか』って聞いてるんだよ……? ちゃんと答えろ……?」
若干の沈黙を挟んで、先生は続けた。
「答えないと、今すぐ浣腸するぞ……?」
そんな先生の一言で、僕は即答した。
「オチ×ポですッ!?」
遅かれ早かれ、僕はもうすぐ浣腸される。
でも、分かっていても、屈辱的な瞬間はやっぱり少しでも遅らせたい。
そう考えている僕にとっては、先生の言葉は威力のある脅迫だった。
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