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恥辱の牛乳浣腸③

 ところが、僕が恥ずかしさに耐えながら「オチ×ポ」と答えるや、怜央先輩が悠馬先輩に言った。 「悠馬、チ×ポをくすぐるのは“お預け”にして、乳首を可愛がってやりな……? 」  ちょっと不思議そうな顔で、悠馬先輩が聞き返した。 「でも、チ×ポをくすぐるほうが、伊織はイヤらしい声を出すんじゃないのかな……?」 「だからだよ……?」 「え……?」 「たっぷり焦らしてやるんだ。焦らした後でチ×ポを撫でてやれば、きっとこいつは、すごくイヤらしい声で悶えるぜ……?」 「なるほどね……?」  いかにも合点がいったという風に頷いて、悠馬先輩が左手に持っていた絵筆を、僕のペニスから離した。  それを右の乳首に移して、また僕の左右の乳首を同時にくすぐる。 「あ、はあんっ、あん……はぁ、はぁッ……」  しばらくして、乳首の愛撫で悶える僕に、怜央先輩が聞いた。 「伊織……お前、さっき『オチ×ポのほうが感じる』って言ったよな……?」 「は……はい、あっ、あぁん、あ、はぁ……」 「だったら、乳首だけじゃ物足りないだろ……? 悠馬に『オチ×ポを撫でてください』ってお願いしてみろよ……?」 「で、でも……」  浅井先生の「牛乳浣腸」という脅威を前に、僕はもう返答をはぐらかそうと思わなかった。   たとえ恥ずかしくても、素直な心情を打ち明けることが、いちばんの得策だと思った。 「オチ×ポのほうが、あぁっ……感じるけど、はあっ……か、浣腸は、イヤです……あっ、はあっ……」  けれども、勇気を出して挑んだ僕の告白を、怜央先輩は鼻で笑った。 「お前はバカだな……?」 「はあっ、あっ……」 「どうせ、お前はもうすぐ浣腸されるんだよ……?」  「浣腸」という言葉に、僕は反射的に悲鳴を上げた。   「いやぁぁんっ……」  同時に、僕はブルッと身震いした。  自分の耳に届いた自分自身の悲鳴が――さっき悠馬先輩と怜央先輩が僕に聞かせたような――まるで女の子みたいな悲鳴だったからだ。  不本意な話ではあるけれど、どうやら僕も――自分でも気づかないうちに――確実に“変化”しているらしかった。  怜央先輩が続ける。 「浣腸されて、俺たちの見ている前で“お漏らし”するんだよ……?」 「いやぁぁっ……あぁっ、あっあ、はあっ……」 「でも、どうせ辛くて恥ずかしい思いをするんだったら、その前に少しでも“気持ちいいこと”をしてもらったほうがいいだろ……?」  怜央先輩の言っていることには、説得力があった。  そんな僕の心中を見抜いたみたいに、怜央先輩が僕の右耳の耳元で、そっと囁いた。 「ほら……『僕のオチ×ポを撫でてください』って、悠馬にお願いしてみろよ……?」  怜央先輩に頷いてみせると、僕は悠馬先輩のほうに顔を向けた。 「ゆ、悠馬先輩……僕の、あはぁ……僕のオチ×ポを、撫でて……ください、あは、はんっ……」  悠馬先輩が口元に微かな笑みを浮かべて、僕の二つの乳首から絵筆の先を退かした。  その両方を、僕のペニスに移そうとした時、悠馬先輩を制した。 「悠馬、止めろ……?」 「え……?」  絵筆の先を宙に浮かせたまま、怪訝そうな顔をする悠馬先輩を尻目に、怜央先輩が僕に言った。 「一度お願いしたくらいで、言うことを聞いてやるほど、俺たちは甘くないんだ……?」  相変わらず意地悪な怜央先輩を内心恨みながらも、怜央先輩の意図は察した。 「悠馬先輩、オチ×ポを撫でてください……オチ×ポを撫でてください……オチ×ポを撫でてください……」  悠馬先輩に向けて、恥ずかしいお願いを延々と繰り返す。 「オチ×ポを……撫でてください……オチ×ポを……撫でてください……オチ×ポを撫でてください……」  悠馬先輩の持っている二本の絵筆のうちの一本が、僕のペニスの“亀頭”に絡みついたのは、七回目のお願いの途中だった。 「オチ×ポを――あっふぅ!」  わずかな間を置いた後、さらにもう一本の絵筆が、“ウラスジ”を優しく撫で上げた。 「おほおぉぉぅ……」  自分で言うのも変な話だけれど、念願叶って僕が上げた声は、歓喜に満ち溢れていた。  僕の声に続いたのは、後ろで腰を下ろしている浅井先生の、楽しそうな笑い声だった。 「フフッ、いい声を聞かせてくれるじゃないか……?」  でも、先生の“褒め言葉”を聞いて、僕が嬉しいはずもない。  喜んだのは、寧ろ「いい声」を上げさせた悠馬先輩みたいだった。  僕が必死で回避してきた、そして悠馬先輩が待ちに待った瞬間が訪れようとしていることを予感したんだろう。  そんな悠馬先輩の期待に応えるかのように、僕が必死で回避してきたその言葉を、とうとう先生は発した。 「伊織……少しずつ入れてやるからな……?」 「や、やだあっ!」  僕は最後の“悪あがき”に出た。 「やだやだやだっ!」  駄々をこねる子供のように「やだ」を連呼する。 「やとやだやだやだっ! か、浣腸はやだぁっ!」  そんな僕の声を背景に、先生が灯油ポンプを押す掠れた音が、体育倉庫に響いた。

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