26 / 27

恥辱の牛乳浣腸⑦

 けれども、悠馬先輩のことを羨む余裕も、間もなくすると失われた。  お腹の苦悶が、僕が耐えうる限界に達したのだ。  そうなると、お尻の穴に刺さっている灯油ポンプのホースの吐出口は邪魔だった。  この吐出口が「栓」の役割を果たしていて、“お漏らし”したくてもできないのだ。 「先生、お願いで、す、ンンン!」  ガクガクと震える声に、時折呻き声を交えながら、僕は先生に哀願した。 「ンンンッ!……と、灯油ポンプを……お尻の穴から、ンンッ!……ぬ、抜いて……くだ……さいッ!」  微かに冷笑を含んだ声で、先生が聞き返した。 「本当にいいのか……? 抜いた途端に“お漏らし”しちゃうぞ?」 「は、はい……」  この期に及んで「お便所に行かせて」などとお願いするつもりはなかった。  それよりも、ナマズが暴れているかのようなお腹の苦悶から、一刻も早く解放されたかった。 「伊織が“お漏らし”するみたいだぞ……?」  僕の右肩越しに、先生が二人に聞いた。 「お前たちも、こっちに来て見ないか?」 「悠馬、どうする……?」  悠馬先輩の乳首をくすぐる指先を止めて、冷笑先輩が悠馬先輩に聞いた。 「伊織の“お漏らし”、見るか……?」  束の間考えて、悠馬先輩は答えた。 「俺……伊織の汚い“お漏らし”なんか、見たくない。それよりも、怜央に乳首をくすぐっててほしい……」 「フフッ……悠馬、可愛いこと言ってくれるじゃん……?」  嬉しそうに呟くと、怜央先輩は先生に返した。 「先生、俺たちは遠慮しときます……」  それから、怜央先輩は僕に言った。 「伊織……俺は悠馬の可愛い声を聞いていたいんだ。お前の恥ずかしい“お漏らし”の音で、伊織の可愛い声を汚すようなことはするなよ……?」  要するに「静かに“お漏らし”しろ」ってことらしい。  もちろん、そんな無理難題を上手くやってのける自信は全くなかったけど、やっぱりお腹の苦悶に急き立てられて、僕は頷いた。 「は、はいっ!」  それから束の間の沈黙を経て、怜央先輩が悠馬先輩の乳首の愛撫を再開した。 「あっ、あんっ……」  悠馬先輩のだらしない声が、また体育倉庫に響く。  さらに束の間の後、浅井先生が灯油ポンプの吐出口を、僕のお尻の穴からゆっくりと抜いた。  その最初の瞬間、待ってましたとばかりに、浣腸液が勢いよくお尻の穴から吹き出した。 ――ブリョリョリョッ!!――  早速、僕は怜央先輩との約束を破った。 ――ブリッ、ブリッ―― 「あぁっ、あん……」 ――ブリリリィィィ゙……―― 「あっ、あ、あ、あんっ……」 ――ブリッ、ブリッ……――  怜央先輩に乳首をくすぐられて悶える、悠馬先輩の“可愛い”声に、おならを連発するような“汚い”音を重ねた。  悠馬先輩の声を邪魔する賑やかな音は、それだけじゃなかった。  お尻の穴から吹き出た浣腸液は、お尻の真下にあるブリキのバケツに落ちて、けたたましい音を立てた。 ――バチャッ! バチャチャッ!――  このおぞましい光景に、浅井先生は喜んだ。  まるで花火を見物する子供のように、がはしゃいでみせる。 「おおっ! いい眺めだッ!?」 ――ブリリリィィ!―― 「美少年の排便シーンは、やっぱり見応えがあるなッ!!」 ――ブリッブリッ!――  けれども、歓喜する浅井先生の直後、怜央先輩が怒鳴った。 「伊織っ!? 汚い音を立てるなっ!?」 「ご、ごめんなさいッ!?」  怜央先輩の怒声を聞いて反射的に、僕はお尻の穴に力を込めた。  この時には、もう浣腸液の大半を排出していたおかげで、何とかそれ以上の流出は食い止めることが出来た。  賑やかな音が治まった。  体育倉庫には、また悠馬先輩の甘ったるい声だけがまた響いた。 「あっ、あぁっ……あん、あっ……」  一方の僕も、まだお腹に残っている浣腸液の気持ち悪さはあるものの、のたうち回りたくなるような苦悶からは解放されて、ようやく安堵の時を迎えた。  だけど、それは長くは続かなかった。  僕の肩越しに、浅井先生が二人に言った。 「これは“いじめ”のレッスンだから、次はお前たちにも浣腸を実践してもらうぞ?」 「でも……浣腸液は、先生が全部使っちゃったでしょう……?」  悠馬先輩の乳首をくすぐる指先を止めて、怜央先輩が怪訝そうに聞き返すと、先生は微かな笑みを含んで、意味深に答えた。 「浣腸液だったら、このバケツの中にたっぷりあるぞ……?」          ♫ ♫ ♫  要するに、たった今排出したばかりの汚物が混じった浣腸液を、再び利用しようとしているのだ。  またしても、悲鳴を上げざるを得ない恐怖が、僕の心の奥底から込み上げてきた。  いくら元々は僕の体内にあったとはいえ、汚物が混じった浣腸液を再び体内に注入されるおぞましさは、想像しただけでも耐えられないものがあった。          ♫ ♫ ♫ 「や、やめてぇぇっ!?」  もちろん僕だって、僕が泣き叫べば泣き叫ぶほど、かえって二人の加虐心を煽ってしまうことは学習している。    それでも、とてもじゃないけど大人しくなんかしていられなかった。 「悠馬、やってみようぜ!」 「うん!」  案の定、二人はすぐにやる気になった。  スキップするかのような足取りで、僕の後ろに立った。  一方の浅井先生は、僕の正面に立った。

ともだちにシェアしよう!