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 唸るような声を上げながらマテウスが腰を振る。息苦しさと痛みのせいで視界が滲んでいるが、マテウスが嗜虐的な顔をしているのだけはわかった。捻じ伏せている快感。通常なら罰則を受けて然るべきなことをしている背徳感。そして手に入らない相手を組み敷いて征服する支配感。欲に塗れた視線が自分に向いている。イル・セーラへの侮蔑だけではなく、収容所の体制が代わったことに対する不満をすべてユーリにぶつけているのだと分かった。  口を塞がれていても突き込まれるたびに呻くような声が漏れる。 「んぐっ、ぅうっ」  詰まるような声が上がる。息ができずに喉が変な音を立てているにもかかわらず、マテウスの手が緩むことはない。むしろ苦しげな声が上がるたびに中に埋まった熱が質量を増し、ユーリの中をこじ開ける。痛みに涙が零れる。でも抵抗をしたらなにをされるかがわからない。こぶしを握って必死に耐えた。 「おいおい、もっとエロい声出せよ。なんのための性奴隷だよ」  口を塞がれているのだから声を出せるわけがないというのに、マテウスの嫌味がとまらない。なにかを探るような動きに変わったかと思ったら、ふいに抉るような動きに変わり、ビクンと体がしなった。 「んんっ、っ!」  ユーリから詰まったような声が上がる場所を何度も突く。不気味なまでの笑い声がしたかと思うと、口を押えていた手がするすると下りてきた。喉元に手がかかる。強い力で喉を押さえられ、また喉から変な音が出た。息ができないせいで身体に力が入り、意図せずマテウスのものを締め付けるような形になる。腹の奥がじんと熱くなる感覚と、息ができずに頭がふわふわとする妙な感覚に苛まれるユーリの耳に、マテウスの歓喜の声がした。 「ああ、締まる締まるっ、やっぱり犯すならガキに限る」  意識が飛びそうになる寸前で手を離され、酸素を吸いきったところでまた首を絞める行為を何度も繰り返された。苦しさに藻掻く声をあげるユーリの耳にはマテウスの恍惚とした声だけが聞こえる。首を絞められながらも、後ろでイケるように仕込まれているせいで、自らマテウスのものを締め付けるようにして何度も達する。マテウスの腕にユーリの爪が食い込んでいるのも構わず、マテウスは笑いながらユーリが自ら締め付けて達する感覚を楽しんでいるようだ。  ふいにマテウスの手が首から外れた。息が整わない。掠れた声を上げながら肺に酸素を取り込もうとする。視界に強烈な光が入ってきた。

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