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第44話
泣き止んだノアリスと共に彼の部屋に戻ると、ロルフがノアリスに飛びついた。
彼は床にストンと座り、ロルフの顔に顔を近づける。
「ロルフ……明日は、一緒に、お散歩に行こうね」
「わふっ!」
「……ふふ、楽しみだね」
ああ、よかった。
少しずつではあるが、笑顔も、心も、戻ってきている。
カイゼルはそれに安心して、床に座るノアリスとロルフの頭を撫でた。
「さあ、明日の為に、今日は早く寝ないとな」
「はい。ロルフ、一緒にベッドに行こう……?」
ベッドに移動して、ロルフと共に寝転がるノアリス。
掛布を掛けてやれば、「ありがとうございます」と言って微笑んだ。
「ロルフと一緒なら、眠れそうか?」
「はい。この子は、とても、あたたかくて」
「よかった。ロルフ、ノアリスを守ってやるんだぞ」
ロルフは『わかってるよ』とでも言いたげに、尻尾をフリフリと振った。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
そうして目を閉じたノアリスを見て安心したカイゼル。
しかし、翌日の散歩で事件が起こるとは、思ってもみなかった。
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