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第122話

 いくら日が高くとも、二人には関係なかった。  カイゼルが扉の前にいたコンラッドの名前を呼ぶ。  すぐに現れた彼を見ることなく、淡々と命令を下した。 「次、俺が扉を開けるまでは誰も通すな」 「畏まりました」 「……五分待つ。香油を持ってこい」 「! すぐに」  ノアリスはカイゼルの腕の中で緊張に体を固くしていた。  安心させるように手を握り、優しく揉むカイゼルだが、しかし彼もまた緊張している。 「ロルフ、すまないが、お前もコンラッドのもとに居てくれるか?」 「くぅ〜ん」 「ノアリスと二人で迎えに行く」  優しく頭を撫でると、賢いその子はノアリスに擦り寄ったあと、そっと部屋を出て行った。  少しして香油を持って現れたコンラッドに礼を言ったあと、ふたりきりになった部屋。  二人分の呼吸音だけがする。  カイゼルはノアリスをベッドに運ぶと、啄むように何度も柔らかな口付けを繰り返した。 「ん……は……むぅ、ン……」  苦しさを与えない、それでいて余裕を失わせるようなそれに、ノアリスはカイゼルの胸に手を添えて必死で応えている。  少しして唇を離れ、滲む視界でカイゼルを見上げた。 「ノアリス、触れるぞ」 「っ、……は、はい……」  まだ一度も素肌を見せたことはない。  彼の手によって服が脱がされていく。  肌衣だけになると、いよいよ心臓がまるで耳元にあるかのように大きく音を立て始め、そして──一糸纏わぬ姿になると、咄嗟に体を隠すように体を丸めた。  こんなの、彼に失礼だと頭のどこかでわかっているのに、体が思うように動かない。   「ノアリス」  名前を呼ばれ、優しく頭を撫でられる。そしてそこに彼の唇が触れると、ノアリスはゆっくり顔を上げた。 「す、みません……い、嫌なわけ、じゃなくて……恥ずかしく、なってしまって……っ」 「わかっている。大丈夫だ。落ち着くまで何か羽織るか……?」 「ぁ……ぅ、い、いえ、大丈夫、です……」  そう言ってまずは手から力を抜き、上半身を晒した。  カイゼルは柔く微笑むと、彼自身が着ていた服をバサリと大胆に脱いでベッドの外に落としていく。  下履きだけとなった彼の姿。  何度見ても鍛え上げられた美しい体。いくつも傷があって、しかしそれすらも綺麗に見える。  そんなカイゼルの姿をボンヤリと見つめていたノアリスは、ふと伸びてきた彼の手に頬を撫でられた。  唇が重なる。  それだけで、思考がふわりとほどけて。  白い肌に、いくつもの口付けが落とされ、触れられるたびに、じんわりと熱が広がっていく。  そして、熱い舌先が乳首に触れた瞬間、知らない感覚が体を走り、思わず腰が引けた。 「は、ぁ……っ」 「怖くないか?」 「っ、ぁ、て、手を、繋いで、ほしいです……」 「ああ」  繋がれた手に、ぎゅっと力がこもる。  再び始まった愛撫に、肌が粟立った。

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