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第124話 ※

 手を繋いだままキスをして、何度も優しく声をかけながら指先で後孔を撫でる。  ノアリスの緊張が少し解けた頃、漸くそこにくぷりと指を挿れた。 「っん!」 「痛むか?」 「ぁ、だ、大丈夫……っん、ぅ……」  狭い中は指を締め付けるように力が入っている。   「ノアリス、ゆっくり息を吐こう。大丈夫、無理に動かしたりしない」 「っは、い……ぁ、ふぅ……、はぁ……っ」 「上手だ」  額に唇を落とせば、少し嬉しそうに微笑むから、それがたまらなく愛しい。  少し柔らかくなった内壁を確かめるように優しくなぞり、焦ることなく中を広げていく。 「ぁ……ん、ん……っ」 「気持ち悪いか」 「……い、ぇ……や、優しい、から……変な、感じが……」 「……これが愛撫というものだ。無理なことはしない。苦痛がないのなら、よかった」 「っ、はい……」  余裕の出てきたそこ。指が増えて、ノアリスはギュッとカイゼルの手を握った。 「大丈夫か?」 「はい……す、少し、苦しい、ですが……大丈夫……」  優しく優しく、急かすことなく。  そうしてカイゼルが内壁を撫でていると、ちょうど腹側に、他とは感触の違う場所があって。  そこに触れる度、ノアリスの腰が僅かに揺れる。鼻に抜けるような甘い声が漏れている。 「ここがイイか?」 「っ、ぁ、そ、こ……なんだか、変、で」 「痛い?」 「……っん、ぁ、ちが……っ、き、気持ち、いい、です……」  赤い顔で恥ずかしそうにそう言ったノアリスに、カイゼルは笑みを浮かべた。  確かに、ノアリスの"そこ"は反応を示していて。  怖かった行為なのに、自分の手なら、受け入れて快楽を拾ってくれている。  その事実が嬉しい。 「よかった」 「ぁ、あっ!」  少し圧を掛けると、それが良かったようで、声が少し大きくなり、繋いだままの手に縋るように顔の傍に持っていく。 「指を増やすよ」 「っん、は、はい……っん、ぅ、あ、あ……!」  甘い声に、カイゼルの熱も反応していた。  けれど怖がらせることのないように、余裕のあるように繕う。  三本の指で中を優しく広げ、そしてノアリスのいい所を刺激して。 「あっ、あぅ、ぅ、ん……っ、か、カイゼルさま、そこは……っは、ふ、ぁ……」 「気持ちいいな」 「んっ、は、はぁっ、ぁ、気持ち、いい……っ、あ、なに、か……っぁ、く、くる……っぁ、きます、ゃ、あっ、あ──ッ!」  ガクガクとノアリスの身体が細かく震える。  目を閉じて、襲ってきた快楽を受け入れて。    ノアリスは初めての感覚に驚いていた。  この行為で気持ちいいことなんて何一つ味わったことがなかったのに、いつの間にか声も出せないほどの感覚に翻弄されている。  勝手に涙が浮かんで零れたけれど、それは決して悲しいものではなかった。

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