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ライク、ナイヴズ②※

「これ……カメラだ」  夕陽がそれを見つけたのは、ゴウの部屋でマットレスの固さを確かめているときだった。マットレスの固さは、とても重要だ。事後の、腰への負担が全然違う。入念に確かめている途中、ふと天井を見上げると、そこにはドーム型のカメラが貼りついていた。 「なんでこんな所に?」 「それ、俺達を……ゴッドブレスを監視する用」  シャワーを浴び終えたゴウが戻って来た。 「監視って、そんな……」  行動を制限され、24時間監視されるなんて、まるで囚人みたいな扱いだ。 「ああ、でも解像度はそんなに高くないし、音声も入ってないってバンビが」 「し、鹿野さんが見てるんですか!?」 「……あいつは見てないよ。同僚から聞いたって」  ゴウがにやつきながら、夕陽をベッドに押し倒す。 「何?バンビに見てて欲しかったの?」 「なっ、そんな」  夕陽は抵抗を示す。勝手な想像を押し付けられ、心外でならない。 「ねぇ、これは意思表示?」  そんな抵抗を完全スルーして、ゴウが白いフェイスタオルを夕陽に見せた。先ほど夕陽が床に放置した、タオルの中の一枚だ。 「あ、すいません、片付けます」 「両手、出して」    ゴウが、起き上がろうとした夕陽を押さえながら命令する。こちらに拒否権はないようだ。夕陽はおとなしく両手を差し出した。 「痛くはしないけど、優しくもしないから」  ゴウが器用に、タオルで夕陽の両手首を縛る。一部でも、身体の自由を奪われるとこんなに不安になるのだな、と夕陽は自分自身の感覚を再確認した。 「じゃあ、壁に手をついて」 「……はい」  縛られて、手のひらが使えなかったので腕をつく。壁と頭の距離が近く、ぶつかりそうだ。 夕陽が、せめて派手にぶつけないように頭の位置を調整していると、ズボンを下着ごと下ろされた。 「やっ……」    先程まで自分でもてあそんでいた秘部が、急に外気に触れ、ひくひくと反応した。  ゴウが念入りに具合を確かめるように、左右から拡げた。夕陽は、羞恥でみるみる顔が赤くなる。 「……すごいとろとろ。すぐあげるね」 「潤滑油を多めに仕込んどいてよかった」夕陽は心からそう思った。ゴウが夕陽の後ろを自身で一気に貫いたのだ。 「ああっ!」  潤滑油の効果で、痛みはほとんどなかった。けれど、急に異物が入ってきた不快感と、圧迫感が夕陽を襲う。 「っはは、さすがビッチ。ゆるゆるじゃん」  そう言って小馬鹿にするが、ゴウは夕陽の中をしっかり味わっている。ぐりぐりと奥まで挿入し、しばらく自身は動かずに内部のうねりを楽しんだ。 「んっ……はあっ」  ゴウが動かない間に夕陽は、下からの圧力におろそかになっていた呼吸を自ら整えた。そうすると余分な力が抜け、圧迫感から少しだけ解放された。 「馴染んできたな。時間がない、動くから」 「は……はい。あっ、うあっ!」  夕陽が承諾するや否や、ゴウが腰を使い始める。予想していたより最初から激しい突きに、せっかく整えた呼吸がまた乱れた。  ゴウに後ろから遠慮なく突かれ、案の定、頭を壁にぶつける。それに加え、やわらかい肉が打ち付ける音と、だらしない水音が響き、夕陽の頭が麻痺してくる。圧迫感があるだけで、良い所に全然当たらない。 「あっ、くるし、ううっ……抜いてぇ」  思わず本音をもらしてしまい、夕陽は慌てて口を閉じた。ゴウの動きがピタリと止まる。また機嫌を損ねてしまったと思ったがその逆で、自分の中のゴウがさらに大きくなったのを夕陽は感じた。  夕陽はその質量に恐怖を感じ、逃げようと身体をよじるが腰を掴まれる。ゴウは夕陽の腰をそのまま固定して、さらに激しく突き上げた。 「あああっ!やっ、やだぁ!」  苦しいのと、悔しいので、夕陽の目に涙が溜まる。こぼれる前に、手首に巻かれたタオルで目を擦った。それが余計に、ゴウの加虐心を煽る。 「泣いてんの?いいね、その反応」  余裕のない様子でそう言うゴウに、夕陽は「勝った」と心の中でガッツポーズをした。お気に召されたようで、何よりだ。いつものようにそうやって自分で脳をバグらせて、しばらくゴウにつきあった。  ゴウは存分に夕陽を楽しんだ後、やっと自身を引き抜いた。夕陽は、自分を苦しめていた異物が外に這い出る感覚に、固く目を閉じる。  短距離走の後くらいに上がった息を整えていると、ゴウがタオルで自分の体を清め始めた。「ああ、洗濯やり直しだ」と、ため息をついた瞬間、腰に激痛が走った。あれだけ揺さぶられたのだ、当然だろう。思わず、ベッドでうずくまる。 「あれ?何でも言うこと聞くって、言ったよね」  痛みにうずくまる姿が、音を上げているように映ったのだろう。言質は取ってあると脅すみたいに確認され、夕陽は少しムッとした。言い返そうと口を開いたが、喉がカラカラで声が出ない。 「やっぱり辞めちゃう?ま、俺はどっちでもいいけど」 「人が黙ってたら好き勝手言いやがって!」と怒鳴りたいが、やはりまだ喉が復活せず、断念した。そうこうしている間に、スーツの男が再び部屋に訪れる。 「ナンバー5、お時間です」  スーツの男は淡々とゴウを拘束し、あっという間に連れ出してしまった。  扉が閉まる音が聞こえる。取り残された夕陽は、両手を自由にしようと試みるも、キツくしまったタオルは全く解ける気配がしない。 「えー……どうしよ」  夕陽にできるのは、祈りをこめて監視カメラを見つめることだけだった。

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