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覚え書き※
「んっ……やっ……」
「いや?いやならやめようか?」
「あっ、やだっやめないでぇ……」
夕陽がゴウを締め付けた。中でドクンとはねて、質量を増す。
「くっ、夕陽、あんまり締め付けんなって……」
夕陽の、ゴウの専属ケアテイカーとしての仕事も板についてきた。ゴウは、少し抵抗を見せた方が興奮すること。イっているときの癖なのか、髪の毛をいじってくること。イッた後に背中を撫でてやると機嫌がすこぶるよくなること。すべて、頭のメモに残してある。
「だって……き、もち、いい……」
夕陽がゴウにしがみついて自由を奪う。そのまま、腰をすり付けるように動いた。
「あーダメ。もうイクっ、イッ……」
びくびく、と夕陽の中でゴウが震え、欲を吐き出す。夕陽は力を緩めてゴウを開放し、荒い息を繰り返す背中をゆっくり撫でてやった。
「ふーっ……」
息が整ったゴウは、夕陽の中から自身を引き抜く。その刺激に、意図せず夕陽の声が漏れ出てしまう。
「あ、あ、ああん!」
急いで自分の手で口をふさいだ夕陽だが、ゴウはそれを見逃してくれない。先ほどまで夕陽とゴウを隔てていたピンク色のコンドームの口をぎゅっと縛り、中にたまったモノを見せつける。
「みてみて!こんなに搾り取られちゃった。ふふっ。でも夕陽君は、まだ足りなそうだね~」
「いえ、もう十分なので。治療行く準備しましょう?」
夕陽がスッとベッドから起き上がり、すたすたと風呂場へ向かった。ゴウは、ゆらゆらと揺
れるピンク色の物体を持ったままベッドに取り残され、状況を理解できない、という顔をしていた。
シャワーを済ませてしばらくすると、鹿野がやってきた。
「お迎えに来たよん」
夕陽がゴウより早く鹿野のもとへ駆け寄る。
「夕陽、もう慣れた?」
「はい!あと、鹿野さん来てくれたら安心します!」
「だって!ゴウ!ゴウも安心する?」
鹿野が目を輝かせて反応を待つが、案の定な答えが返ってきた。
「別に。誰でも同じ」
なぜか不貞腐れているゴウに、鹿野が手錠をかけて治療へ向かう。この光景も、すっかり慣れてしまった。
車いすに座らされていたのは、20代前半くらいの若者だった。夕陽が罪状を読み上げる。何のための対策なのか、わざわざ分かりにくい言葉で書き表しているが、要は保険金詐欺を働いた若者らしい。
罪状を読み上げ終わると、ゴウが若い男の前へ行き、手をたたく。意識がもうろうとしていた若い男が、ゆっくりと覚醒した。
「え?」
若い男が状況を把握しようと視線を巡らせている間に、ゴウが額に手をかざし、ゴッドブレスを施した。
若い男がうつむき、苦悩の顔を浮かべる。それは、自分が犯した罪の重さを確認し、後悔しているようにみえた。今回治療された後の患者の状態は、夕陽が初めて見た時と、全く違ったものだった。
「これが本来のやつね。今日調子いいみたい。夕陽、頑張ったんだね」
鹿野が頭を撫でてくれた。「これが、調子がいい時の、本来の治療か」夕陽は頭にしっかり刻み込んだ。その時が来たら、ナンバー5にこの治療をさせるわけにはいかない。
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