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鹿野と力來※

「……あっ、……うあっ」 「大丈夫?」 「う、うん」  鹿野が、りくの主張するそれをゆっくり撫でてやる。初めて受けとる刺激に、体が大袈裟に反応してしまう。 「先の方もさわるね」  透明な液がぷくりと溢れている部分を親指で優しくすると、りくが一際大きく反応した。 「あんっ……はっ、うぅん……まっ……て」  りくが鹿野の手に自分の手を重ね、動きを止めようとする。 「痛かった?」 「ちが……なんか、変……」  鹿野が「わかるわかる、俺も好きよ、ここ」とつぶやきながら、再開した。 「あっ!ああっ、あっヤダ、やっ、やだぁ」  りくが、不安になる程の快楽からどうにか逃げたくてもがいていたら、膝が鹿野の鍛えぬかれた腹にヒットした。「ぐふっ」とくぐもった声が聞こえて、やっとりくは解放された。 「……ごめんて。でも大丈夫だよ?信じて」 「んっ……」  鹿野にまた深いキスをされ、りくの強張っていた体の力が抜ける。  切なそうに震えるりくの屹立を鹿野の手が優しく包み込み、ゆるりとしごく。まだその行為に慣れてないりくには、少し刺激が強かったようだ。 「あっ、しか、の……んっ、ど、ど、どうしよっうぅ……」 「大丈夫。もうずっと側にいるから。怖がらなくていい」 「う、うん……あっ、んぅ……あっ!」  トクトクと脈を打ちながら、鹿野の手の中でりくが果てた。 「はあっ……はっ……はっ……」 「どうでしたでしょうか?」 「あたま、ちかちか……する。なんも、かんがえられ、ない」 「光栄です」  りくが落ち着いてきたところで、一緒に風呂に入ることにした。ホテルに備え付けられていた物の中からりくが選んだ入浴剤は、乳白色に濁るタイプだ。バスタブに二人で浸かると、一気に湯があふれた。 「ふぃー生き返りますなぁ」  鹿野がりくを後ろから抱きしめる形で落ち付き、しみじみ言った。 「うん……あの、鹿野……」  りくの顔が赤くなる。湯が熱すぎてのぼせているのか、それとも。 「……おしり、使う?」 「ぶっ!」  りくの突然の提案に、鹿野が吹き出した。 「りっくん、どこでそんな言葉覚えたの?」 「昔読んだ、ほ、本に書いてあった、から」 「えー何の本?りくがエッチな本読んでたなんて、なんかグッときちゃうわ~」 「江戸時代の男色について」  鹿野が、スタッカートがよく効いた声で、笑いに笑った。しばらくそれだけが風呂に響き渡る。腹筋がちぎれるかと思った。鹿野の腹筋から発せられる波で溺れる前に、りくが反撃する。 「だって、鹿野の、しか、の、の……当たってる」 「あー大丈夫、大丈夫。俺、こう見えてお前と同じ部屋に住んで1年我慢できてたのよ?」  「まぁ、あの時は一緒に風呂なんて入ったことなかったけど」と付け加えながら、鹿野がバスタブから出て、しゃがみこんだ。バスタブの中のりくと目が合う。 「でも、そうだな。ねえ、俺、りくともっと気持ちいいコトしたいからさ、その前に」  鹿野が、りくの両手を大事そうに握る。柑橘系の入浴剤の香りが、二人を包んでいた。 「あの組織、ぶっ潰していい?」

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