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第21話 溢れ出す欲情①
勢いよく抱きしめられ、そのまま壁まで追い詰められた。
「今度こそ、俺の気持ちを理解してくれたな?」
「は、はい……でも、なぜ……望月先輩ならもっと相応しい人は沢山いるはずです」
「俺は一緒にいると決めてから、陽菜しか見ていなかった。隙を見せて黒川や高槻に触らせていたのは陽菜の方だ。本当に君は俺の嫉妬を煽るのが上手いな。でも今日からは、誰にも触らせない」
眉根を寄せ、鋭い視線を突き刺してくるが、それは威圧ではなく彼が興奮しているからだった。
激しく唇を求められ、息も出来ないほど口中を嬲られれば、膝から崩れ落ちそうになってしまう。舌が絡まり、唾液が口端から流れる。それでも凌駕はキスを止めようとはしなかった。首筋を強く吸い、鬱血の痕を残す。
「ぁ……先輩、そこは見えちゃいます」
「見せつけるくらいで丁度いい。陽菜は無防備過ぎる」
凌駕は全身に自分のものだと印をつけると言い出した。
陽菜のネクタイを乱暴に外し、シャツをはだけさせると、至る所に吸い付いていく。
「あっ、は……僕、シャワーもまだ……」
「このままでいい。陽菜の匂いをもっと嗅ぎたい」
熱い息がかかり、体が火照っていく。
「一週間、耐えた。これ以上は待てない。陽菜の全てを奪うまでやめない」
上肢を舐めらがら喋られ、胸の小さな蕾は早く触れて欲しくて疼いている。凌駕は焦らさないで乳暈を甘噛みし、舌を這わせた。
「はっ、ぁあ……」
陽菜は凌駕の頭を掴み、身悶える。反対の乳首は指で弄られ、生じた痺れは痛みなのか快感なのかも判断ができない。
吸われた乳首はぷっくりと勃ち、唾液を滴らせる。続いて反対も同様に舌で嬲られ、抗ようのない快感に喘ぐ声を抑えられず甘い息を吐き出す。
凌駕は陽菜のベルトを外し、ファスナーを下ろした。下着ごと鷲掴みにしてズリ落とすと、中心に昂っている屹立が露わになる。先端からも孔からも液が溢れてびしょ濡れだ。
「しっかり立っていろ」
そう言うと裏筋に舌を這わせ、亀頭をしゃぶり、根本まで口に含ませた。
「あっ、まっ、んん……」
屹立が凌駕の喉元まで入っている。膝が震えて立っていられない。力はどんどん抜けていくのに、凌駕は口淫を続けながら更に指を孔に押し付ける。中指をぷつりと挿れ、媚肉を擦りながら中を広げていく。オメガの液が潤滑油になり、待ち構えていたかのように凌駕の指を呑み込んでいった。
「一週間、一人でもしていなかったんだな」
孔が硬くなっているのだろう。そりゃそうだ。自慰なんて発情期の時くらいしかしない。その上、今週は仕事も忙しかったし、凌駕とは番を解消すると思っていたのだ。それで一人でなんて、とてもする気になれない。
喘ぎながら頷くと、凌駕は肉茎にキスをしながら「良い子だ」と言った。
この一週間、殆ど顔すら合わせていなかった凌駕は、もし陽菜が自慰をしていたとすれば指にさえ嫉妬しそうだ。
この体を懐柔するのは自分しかいないと躾けられている。自分で触ったとて、凌駕のような快楽は生まれない。
孔の奥の弱い部分を責められる。
「俺の指の形さえ覚えろ」そんな風に言っているみたいに、二本に増やされた指が蠢動する。執拗に前立腺を弄られ、陽菜は腰を痙攣させた。
口からも孔からも淫靡な音がぐちゅぐちゅと響き、さらに肉胴を広げていく。
前と後を同時に責められ、陽菜は抑えられない快感に、凌駕の顔に腰を押し付けて白濁を飛沫させた。
「んっ、ぁぁあ……!!」
ぐったりと壁に背を凭れると、凌駕は陽菜の白濁を飲み込み、孔の指を抜いた。
床に崩れ落ちる寸前の陽菜の両脚を抱え、全開にさせながら立ち上がる。壁に背中をつけた状態で、秘部に男根を押し当てた。
「あ、待って。今、イったばっか……ぁ、ふぅ、あっ……」
必死に凌駕にしがみついても、自分の体重でズブズブと沈んでいく。怒張したそれは、ゆっくりと隘路を広げながら奥へ奥へと押し込まれる。
半分くらい入っただろうか、いきなり凌駕は腰を打ち付けた。
あまりの衝撃に目の前に星が飛ぶ。
「はっ、あ……」
凌駕は再び男根を抜ける直前まで抜き、一気に最奥を貫く。その度に屹立の先端から残滓が飛び、陽菜の腹部にはたはたと落ちる。
「陽菜、陽菜……」呷るように名前を呼ばれ、応えるように唇を寄せた。何度も何度もキスをして、互いの存在を確かめ合う。
凌駕は陽菜を抱えたままそっと床に寝ころばせた。背中が冷たくないように、凌駕のジャケットを敷いてくれた。正常位の状態になり、ようやく体が不安定じゃなくなったことで余分な力が抜けた。
息が切れ切れになっている。休憩したいが凌駕はまた腰を揺らし始める。
陽菜の腰を鷲掴みにし、見下ろしながら律動させる。涙目で嬌声をあげる陽菜に愉悦の笑みを浮かべた。
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