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最終章・ライバルの君と永遠の愛を誓う②
「っ、ばかッ!吐き出してくれ!」
「甘くて美味しいよ」
「そ、そんなわけあるかっ」
上手く回らない口で抗議する。けれどオライオンは相変わらずのふやけ顔でルキノのことを見つめてくる。話を聞いてくれる気はないようだ。
唾液で艶めいているペニスを再び手で扱かれて、頭の中がふわふわと浮くような感覚がした。その瞬間、感覚を開けずに短い射精をしてしまう。
吐き出された精液を潤滑油にしながら、オライオンが蜜穴へと指を一本あてがう。驚いて体が強張る。
「大丈夫。力を抜いて」
「う、うん……」
言われるまま力を抜こうとするも上手くいかない。焦りばかりがつのっていく。すると身を乗り出したオライオンがルキノの口内に舌を潜り込ませてきた。
上顎を舐められて気持ちよさに目を細める。そのおかげか力が抜けて、蜜穴が指を受け入れ始めた。
異物感はあるもののオライオンの手だとわかっているためか拒否反応はない。拡げるように中を掻き回されて、違和感にくぐもった声を出す。
二本目が挿入されると、ますます違和感が強くなる。吐き出そうと蜜穴の入り口が推したり開いたりを繰り返していた。
「ルキノの良いところはどこかな」
「オライオン苦しいっ」
「もう少し我慢して」
そうは言われても苦しいものは苦しい。どうすることもできず身を委ねていると、オライオンの指先が一点を掠める。瞬間、お腹の奥から津波のように快感があふれ出してきて目を見開いた。
「あっ!」
「ここが気持ちいい?」
「まって!まってまって!そこは駄目だっ、あぁ!」
先程までは苦しいだけだったというのに、その一点を刺激されると気持ちよくて目の前に星が散ったような錯覚をしてしまう。
足先がピンっと伸びて、無意識に快感を逃がそうと試みる。やめてほしいと言葉にしてみても、オライオンは指を抜いてくれる気配はない。
瞳から快楽に負けて涙がこぼれ落ちた。
少しずつ広がっていく蜜穴からトロリと愛液が流れ出す。
「ルキノ、名前を呼んで」
「っ、オライオン」
「もっと。沢山ルキノの声を聞いていたい。ルキノの乱れる可愛い姿を見せてほしい」
ルキノの白い肌が月明かりの下で乱れる。指を抜き、スラックスを下着ごと脱ぎ捨てたオライオンが、ルキノの華奢な腰を抱き寄せる。反り立つペニスを太ももの間に挟むと、ルキノのペニスへと擦り合わせた。
「一回これでイかせて。そうじゃないとルキノを傷つけてしまいそうだ」
「っ、んッ、オライオンのと擦れて、きもちいいっ」
「ッ、煽るのが上手だね!」
太ももの間をペニスが行き来する。入れられているわけではないのに、興奮が高まりはらの奥が刺激されたような心地になった。
刺激に耐えられずルキノが先に腹へと欲を吐き出す。イキ過ぎているせいか、先端からは透明な液が出るだけで、精液は出てこない。
「出すよッ」
腰の動きが早まった瞬間、ルキノの腹にオライオンが欲を吐き出した。顔にも白濁が飛んできて、頬が汚れてしまう。
ルキノのものと混ざりあった体液が、腹からシーツへと流れ落ちていく。その姿があまりにも魅惑的で、オライオンが喉を鳴らすのが聞こえてきた。
「オライオン……ほしい……」
「……本当に、煽り過ぎだ」
腰を曲げたオライオンがルキノの首元を甘噛みしてくる。首筋や鎖骨に赤い痕が残されて、ほんの少し痛みを感じた。その痛みすら今は愛おしい。
愛人と愛を確かめあう時間が、こんなにも特別で素晴らしいものだとは知らなかった。オライオンの聞き心地のいい甘い声をずっと耳に入れていたい。それ以上に、大好きな人ともっと深い触れ合いをしてみたかった。
「入れるよ」
「……うん。きて」
蜜穴に太く硬いペニスがあてがわれる。腰が前に進められると、掻き分けるように蜜穴へとペニスが挿入されていく。
苦しさに眉を寄せるルキノの額に、オライオンがキスをしてくれた。そのおかげか、ほんの少し体から力が抜ける。
「深呼吸をして」
「大きすぎるっ」
「ッ……」
「な、なんで大きくなったんだよ!?」
質量を増したペニスが、蜜穴の最奥へとゆっくりじっくりと進んでいく。浅い呼吸を繰り返していたルキノのことを、オライオンが全身で抱きしめてくれた。
しっとりと汗で濡れた肌の感触と上昇した体温を受け止めていると、幸せが体内に蓄積されていく気がする。
「全部入ったね」
優しく下腹を撫でられた。ルキノの薄い腹がオライオンのペニスを受け入れて膨れている。本当にオライオンが自身の体内に入っているのだとわかり、嬉しくなってしまう。
オライオンの首に腕を回して、自分からキスをねだる。触れ合うことが楽しくて、ハマってしまいそうだった。
「動くするよ」
「優しくしてほしい」
「ごめん。それは自信ないかも」
ゆっくりと引き抜かれていったペニスが、一定の位置で止まり再び奥へと戻ってくる。その途中前立腺を擦られて、ルキノは鼻から抜けるような甘い喘ぎ声を漏らした。身体を揺さぶられる感覚に身を任せながら、オライオンの紫の瞳を盗み見る。
綺麗で時々すごく可愛らしくて格好いい、ルキノの愛する人 。こうやって繋がってみると、心がオライオンなしでは無理だと叫んでいるのが実感できる。
愛おしさに背を押されて自分からキスをする。目を細めて気持ちよさに身を委ねると、中が締まったのが実感できた。
「ッ、締めすぎっ」
「んん!だって、気持ちいいからっ」
「そんなこと言われたらとまれなくなる」
「いいからッ、もっとオライオンを感じさせて!」
背に足を回し腰を押し付ける。肌同士のぶつかる高い音が室内に響いていた。羞恥心など今はない。ただ快感と幸せの渦の中に身を委ねて、喘ぎ声を響かせ続けることしかできなかった。
うつ伏せになると後ろから強く腰を打ち付けられた。先程とは違い、更に奥へとペニスが挿入されていくのがわかる。最奥をノックされて、耐え切れない快感に身悶えする。半開きになった口から唾液がこぼれ落ち、顎を伝う。
幸せを現すように、ルキノのペニスからは止めどなく体液が漏れでいる。
「ルキノっ、ルキノ……好きだ」
「んっ、もっと呼んでっ!声を聞かせて!」
君の声を聞かせて。
声が鼓膜を揺らすたびに、今のすべてが夢ではないのだと実感できる。オライオンが側にいて、伯爵家に残ることができた。研究も許してもらえている。レオナルドとも和解することができた。
努力した先には辛いこともあるけれど、嬉しいこともちゃんと訪れるのだと証明できた。
一夜では解決できないことは山積みだ。けれど時間をかけて本音を話せば縺れた糸も修復できる。
きっとこの先も幸せばかりの人生ではない。だからこそ深みがある。不幸と幸福が折り重なるから人生が楽しくなる気がする。
「ルキノの出すよッ」
「中に、中にちょうだいっ」
「ッ〜〜!」
ラストスパートをかけるように強く最奥を突かれた。その瞬間、ルキノは不規則な喘ぎ声を漏らしながら、シーツに最後の欲を撒き散らす。同時にオライオンが体内で欲を吐き出した。腹の中に体液の広がる感覚がする。まるでオライオンがルキノの中に根付いていくような心地だった。
しばらく繋がったままお互いの体温を肌に刻み込む。横向きになると、背後から抱きしめられる。
「離したくない……」
「僕も離れたくない」
すっとこの頼りになる腕で捕まえていてほしい。そうすればルキノは一生をオライオンの側で過ごしていける。
『君は僕の宝物だ』
声には出さず、手話だけで伝える。気恥ずかしくて言葉にはできなかった。ルキノの手の動きを見ていたオライオンが「なんて言ったの?」と尋ねてくれる。
「秘密」
「ますます気になる」
頬に唇が寄せられる。くすぐったさに身をよじると、体内に残っていたペニスが固さを取り戻したのを感じた。
今夜は眠れないだろう。
外を見ると月が二人を見守るように浮かんでいる。月光に照らされながら、二人は蕩けるような甘い一夜に身を浸していった。
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