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第8話

セドさまと同じで、二人ともかなり背の高い。項を隠す長さの焦げ茶色の髪に琥珀色の瞳をしていた。 「セドリック殿下からサクさまとお呼びする許可をいただきました。私が黒鉄の剣士、スフォルです。私は右目の下にほくろがあります。弟は左目の下にほくろがあります。違うので見分けが付くと思いますが。こちらが双子の弟の……」 「双剣使いのゼオリクです。顔は似ているが持っている剣は二本だ。すぐに分かる」 スフォルさんもゼオリクさんも軍服姿で、鍛え上げられた屈強な体つきをしていた。スフォルさんは見事な造りの剣を鞘に収めていて、ゼオリクさんは双剣使いということもあり左右に剣を一本ずつ鞘に収めていた。 「もし名前を間違ったときは許してください。スフォルさん、ゼオリクさん、よろしくお願いします」 ぺこりと頭を下げた。 「呼び捨てでいいです」 「そういう訳にはいきません」 「と言われましても……分かりました。サクさまの好きなようにお呼びください。この命に代えてもサクさまをお守りします」 跪拝し深々と頭を下げられたから驚いた。二人とも名のある貴族の子息だとアルさまから聞いた。 「もしかしてサクさまは、僕みたいな下賤の民に、とか思ってますよね?」 「だから頭を下げられる立場ではないとか思ってますよね?」 「え?なんで分かったんですか?」 「顔を見れば分かります」 「出てますよ、顔に」 「思っていることがすぐ表情に出るから分かりやすいとアルさまにも言われているんです。気を付けます」 「気を付けなくていいですよ。サクさまはサクさまのままで」 スフォルさんとゼオリクさんがにっこりと微笑んだ。

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