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第9話

「まさか黒の騎士団の団長とその弟がサクの護衛につくとは」 「くれぐれもこの事は内緒でお願いします」 「分かってますよ。アル殿下謀反の恐れあり、と告げ口をされたらたまったものではありませんからね。これから町に?」 「アルさまのほうから国にお願いしてもなかなか品物が入ってこなくてもう二週間以上品物が届かなくて市場も閑散としていたのにここ二日帝国から新鮮や野菜や小麦など大量に届けられたみたいで市場の様子を見に行こうかなと思って」 「サクさまのご実家の民にひもじい思いをさせるのはすなわち帝国の恥ですからね、これからは定期的に品物が届くようになるはずです」 「スフォルさん、ゼオリクさんありがとう」 「礼を言うのは私たちです。魔物討伐と国境のパトロールばかりで一生嫁の貰い手がなかった我が主と結婚していただき感謝しかありません」 「朴念仁で奥手で、恋のこの字も知らない。舞踏会には行きたがらない。女性から逃げ回っているんですよ。そんな殿下がようやく身を固めてくれた。これほど嬉しいことはありません」

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