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第67話

北の砦《ノ―ドフォルト》領主、グラシオ公爵、領民を守るために皇帝の名代である第一皇子エリオットの和平案に合意。今後、北の砦《ノ―ドフォルト》は第二皇子セドリックと合同で統治する。 そのニュースは瞬く間に国内を駆け巡った。 王族や貴族の従者がアルさまに助けを求める書状を携えてひっきりなしに訪ねてくるようになったけど城にたどり着く前に領民から手荒い歓迎を受けてことごとく追い返された。 「一方的に縁を切ると言っておいて、助けてくれか。虫がよすぎる」 「物資も資金も何一つ寄越さず。領民に苦しい生活を強いておいて、今さら遅い」 「閣下とサクさまをなんだと思っているんだ」 ユフとスフィルさんとゼオリクさんが怒りを露にした。 エリオット殿下とジュリアンさんたちと一緒に帝国に帰るはずだったスフィルさんとゼオリクさんだったけど、二人ともここに残ると決めた。 これで一件落着ではない。むしろこれからますます命を狙われる。サクさまをこの命に代えてもお守りする。建国のときから皇室を支えてきたデューク・ヒューベルト公職家の血統が途絶えることになるからとセドさまが説得したけど、二人の決意は揺らぎようもなくて。セドさまが最後には折れた。

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