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第77話
母は殺されたも同然。ずっと冷遇され、いないものとして扱われていたアルさま。レオポルドさまから謝罪をしたいから会いたいと手紙が一度だけ届いたけどアルさまは丁重にその申し出を断った。
セドさまのご両親に挨拶をするためにアルさまとセドさまと一緒に首都ノアに向かった。ミラー湖を船で渡り、陸路を馬で十日ほど。ノアは難攻不落といわれている。高い城壁に囲まれた近代的な街並みで大勢の人が行き来してとても賑わっていた。町の人たちに熱烈な歓迎を受けた。前に進めないくらいたくさんの人が出迎えてくれた。
「お疲れのところまことに申し訳ありませんが両殿下主催の歓迎パ―ティ―に参加していただきます」
「わかった」
王宮内にある迎賓館に案内された。そこはテレビでしか見たことがない煌びやかな白亜の大豪邸だった。客人が待っているからとそのまま応接間に案内されると予想もしていなかった人たちが僕たちのことを待っていた。二人の名前を聞いて心臓が止まるんじゃないかそのくらいビックリした。
でもセドさまはある程度予想していたのかさほど驚いていなかった。
「父上、母上」
「セド、そう睨まないの。だって夜まで待てないんだもの。サク、私の可愛い娘。やっと会えたわ。これからはお義母さんって呼んでいいからね」
挨拶もそこそこにぎゅっと抱き締められた。
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