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第98話
「ジュリアンおはよう。いつまで寝てるのよ」
バタンと勢いよく扉が開いたからビックリした。
「あら、やだ。シャロンがいるのに堂々と女を連れ込むなんて。ジュリアン、見損なったわ」
寝起きの頭にガンガンと響く甲高い声。
声は女性だけど、軍服を着ているから騎士の方かな?腰まである赤い髪をひとつにまとめ、紐がついた眼鏡をかけていた。
「あのな、この方はセドリック殿下のお后さまだ」
「お后さま?」
一瞬ぽかーんとする男性。
「あら、やだ。私としたことが。ジュリアン、早く言ってよ」
「まさかこんな朝から押し掛けてくるとは誰も思わないだろう。サク、驚かせてすまない。昨日グレーンスト―ン家からもサクの護衛を出すという話しがあっただろう。見た目はこんなだが腕っぷしは強いほうだ。俺が保証する」
「サク妃殿下」
さっと男性が片膝を立てて腰を下ろした。
「私の名前はジュラルド・グレーンスト―ンです。どうぞゲリーとお呼びください」
にっこりと微笑む男性。
「よ、宜しくお願いします」
緊張してがちがちになりながらも頭を下げた。
「兄上抜け駆けとは。ズルいですよ。まだ決まった訳ではないのに」
顔がよく似た男性がずかずかと部屋に入ってきたからビックリした。ジュリアンさんの親戚のみなさんは朝から元気な人ばかりだ。
「もしかして双子ですか?」
「双子でなく年子の兄弟だ。ゲリ―の弟の……」
「ギルバ―ト・グレーンストーンです。どうぞギルとお呼びください」
ゲリ―さんと同じように片膝を立てて、にこっと微笑む男性。
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