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第102話
騒ぎを起こしたとうの本人は雲隠れしてしまった。カドモス侯爵は一ヶ月近く娘には会っていない。知らぬ存ぜぬを通した。恐らく大司教が彼女を匿っているのだろうと、お義父さまが。
「教会を敵に回すと少々厄介だからね」
「セドさまとアルさまと一緒にこの目で町を見てみたいと思ったんです。町のみんながどんな暮らしをしているか、大司教さまがいる大聖堂や、修道院のなかにある孤児院も視察したかったんですが……」
警備が大がかりになればなるほどスフィルさんたちや、騎士の皆さんに負担がかかることになる。
「大聖堂以外、視察したらどうかな?不慮の事故で急逝した前の大司教に代わり、新しく就任した大司教はサクが異邦人だという理由でセドの后だと認めていない。まして聖女な訳がないと。婚姻届も無効と主張している」
「そうよ。サクちゃんがわざわざ敵地に赴くことはないわ。それこそ相手の思う壺よ」
ニクスさんがアルさまとセドさまが見えられましたと伝えに来た。
「会議の時間になっても陛下が現れないから部屋を見に行ったらもぬけの殻。宰相と補佐官たちが血眼になって父上のことを探していましたよ。何も言わずに皇宮からいなくならないでください。何かあってからでは遅いんですよ。サクのことが心配なのは分かりますが」
「護衛騎士たちがいるんだ。心配ない」
お義父さまがあまりにもあっけらかんとしていていから、セドさまもそれ以上はなにも言えなかったみたいだった。
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