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第108話
「うわぁ~なんだ、これ!」
神官の男が叫んだ。びっくりして振り返ると青白い炎に包まれていた。
「嘘をつくから飛竜が怒ったのよ。セドリック殿下が欲しいのは分かるわよ。世の男性と女性がほっかないくらい格好いいもの。でもね殿下にはサクさまがいるのよ。サクさまと離婚してまでそちらさまが崇めている聖女さまとは結婚しないから安心して」
「なんでお前は平気なんだよ。熱くないのか?」
「だって私、あなたと違って嘘をついてないもん。それにサクさまの護衛騎士だもの」
黒の騎士団が神官の男を取り囲んだ。
「ここまでよ。諦めなさい」
「くそ」
男が隠し持っていたナイフを首に突き立てようとしたけど、
「なんだこれ」
刃の先からみるみると凍りついていった。
クゥンと得意気に鳴いて、くるっと一回転したのはチビ竜だった。
「あら、やだ。可愛い~~」
ぱちんと両手を叩くゲリ―さん。
「見た目は可愛いが怒らせたら怖い」
ゼオリクさんがボソリと呟いた。
「あなたもサクさまの護衛騎士なのね。よろしくね」
ゲリ―さんがぶんぶんと手を振ると、チビ竜もそれに答えるようにくるっくるっと今度は二回転した。
「セドさん、何か言われてますよ」
アルさまがくすくすと笑った。
「そうか?俺には聞こえないな」
セドさまも笑って答えた。
「サク、お腹は空いてないか?」
「さっき食べたばかり………」
グクグ~~とお腹が派手に鳴った。あれ、おかしいな。えへへと笑って誤魔化した。
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